三角関数の相互関係が覚えられない!3つの公式を導ける形で整理して例題で定着
相互関係の公式がいくつもあって混乱します。
たとえば、sin が分かっているときにcosやtanを出そうとすると、符号が合わなくなったり、どの式を使えばいいのか分からなくなったりします。
テスト中に手が止まらないように、スッキリ整理して覚えるコツを教えてください。
相互関係は「公式を丸暗記」しようとすると、似た式が多くて混乱しやすい単元です。でも大丈夫。ポイントは、覚える数を減らして、必要なときに自分で作れるようにすることです。
相互関係は「公式を丸暗記」しようとすると、似た式が多くて混乱しやすい単元です。でも大丈夫。ポイントは、覚える数を減らして、必要なときに自分で作れるようにすることです。
まずはこの記事で、次の状態を目指しましょう。
| できるようになりたいこと | ここがつまずきやすい |
|---|---|
| sinが分かる → cos・tanを出せる | 符号(+/−)の決め方 |
| tanが分かる → sin・cosを出せる | どの公式を使うか迷う |
| 恒等式の証明で手が止まらない | 変形のスタートが分からない |
【質問の確認】相互関係って結局なに?
あなたの質問は、まとめるとこうです。
- 相互関係の公式が多く見えて、どれを覚えるべきか分からない
- sinからcosを出すとき、最後の符号が不安
- tanからsin・cosに戻すとき、使う式が思い出せない
- 証明問題で、何をどう変形すればいいか迷う
ここでいう「相互関係」とは、sin θ・cos θ・tan θの値を相互に変換できる関係式のことです。つまり、1つ分かれば残りも求められるための道具なんですね。
まず最初に結論:覚えるのは必修3本でOK
相互関係にはいろいろな形がありますが、テストで困る原因の多くは「公式が多く見える」ことです。そこで、最初は必修3本だけに絞って整理しましょう。
| まず押さえる3本 | 何ができる? |
|---|---|
| ① | sinとcosを行き来できる |
| ② | tanをsinとcosで表せる |
| ③ | tanからcos(→ sin)を逆算できる |
※この3本の「式そのもの」は次のブロックでまとめて紹介し、どうやって作るか(復元法)まで説明します。
ここで安心ポイント(符号が合わない理由)
「計算は合っているはずなのに、答えの符号が違う…」は相互関係あるあるです。
原因はほぼ次のどれかに絞れます。
- 平方根を外すとき、±が出るのに片方だけにしてしまった
- 角の範囲(第何象限か)を見ずに符号を決めてしまった
- tanの符号は sin と cos の組み合わせで決まるのに、別物として扱ってしまった
この符号問題も、次のブロックで「範囲→絶対値→符号確定」の流れにして、迷わない形にします。
【解説】まずは“必修3本”だけ押さえよう(ここが相互関係の土台)
相互関係は「公式が多い」ように見えますが、実はテストで困りやすいのは、ほぼ次の3本です。この3本を軸にすると、sin・cos・tanが相互に行き来できて、証明も組み立てやすくなります。
必修3本(これだけは土台として押さえる)
| 名前 | 公式 | 何に使う? |
|---|---|---|
| ① 基本の相互関係 | sin2θ + cos2θ = 1 | sin ⇄ cosの変換 |
| ② tanの定義(変換式) | ![]() |
tanを絡めるときの入口 |
| ③ tanとcosの相互関係 | ![]() |
tanからcos(→sin)へ戻す |
「覚える」というより、必要なときにこの表を思い出せる状態が第一段階です。
30秒で復元できるチェックリスト(暗記に頼らない)
ここからが大事です。必修3本は、バラバラに暗記しなくても、同じ流れで作り直せます。
- ステップ1:基本は sin2θ + cos2θ = 1
- ステップ2:tan θは sin θ を cos θ で割ったもの

- ステップ3:ステップ1を cos2θ で割ると、
が出る
つまり、覚えるのは実質「ステップ1と2」。ステップ3は、テスト中でもその場で復元できます。
どの公式を使うべき?迷ったときの選び方(早見表)
| こういう問題なら | まず使うのは | 次にやること |
|---|---|---|
| sin θが与えられた → cos θを求めたい | sin2θ + cos2θ = 1 | cos2θを出す → 符号を決める |
| cos θが与えられた → tan θを求めたい | ![]() |
sin θを相互関係で出す |
| tan θが与えられた → cosθを求めたい | ![]() |
cos2θ → cos θ → 符号 |
| 恒等式の証明で tan θ が出てくる | ![]() |
sin θ・cos θに統一して整理 |
この表で「入口」を決められると、途中で手が止まりにくくなります。
注意:ここで一番多いミスは「cos θの符号」
相互関係で cos2θ までは出せても、最後に cos θ に戻すときに迷子になりがちです。
理由は、平方根を外すときにプラスにもマイナスにもなり得るからです。
までは計算で一意に決まる
となる- どちらにするかは、θ の範囲(第何象限か)で決める
符号で間違えない!sin・cos・tanの“決め方”フローチャート
相互関係の計算で一番多い失点は、計算ミスよりも符号(+/−)です。
特に、cos θを求めるときは、最後に平方根を外すので「±」が出ます。ここを適当に決めると答えがズレます。
そこで、テスト中でも迷いにくい順番に整理します。
まず結論:符号は「範囲→象限→符号」で決める
計算で分かるのは、基本的に sin2θ や cos2θ のような“2乗の値”です。2乗は必ず正になるので、符号はそこからは分かりません。
符号を決めるカギは、問題文に書かれた θ の範囲です。
象限と符号の早見表(ここだけでだいぶ救われる)
| 範囲(象限) | sin θ | cos θ | tan θ |
|---|---|---|---|
第1象限:![]() |
+ | + | + |
第2象限:![]() |
+ | - | - |
第3象限:![]() |
- | - | + |
第4象限:![]() |
- | + | - |
「tan θは
」なので、符号もこの組み合わせで決まります。
符号決定フロー(これだけ覚えると迷いにくい)
次の順番で処理すると、途中で混乱しづらいです。
- 1)問題文から θ の範囲を拾う(象限を決める)
- 2)表で sin θ と cos θ の符号を決める
-
3)相互関係で二乗の値を求める
(例:cos2θ = 1 - sin2θ) -
4)平方根に戻す
(例:
)
- 5)2)で決めた符号に合わせて、+か−を選ぶ
- 6)最後に
で符号も確定させる
この順番なら、計算と判断がごちゃごちゃになりにくいはずです。
ありがちな失敗例(同じミスを防ぐために)
| 失敗パターン | どう直す? |
|---|---|
| cos2θ から cos θに戻すとき、勝手に+にする | 範囲で符号を確定してから選ぶ |
| tan θ の符号だけ合わない | tan θは の符号で決まる |
| 範囲が書いてあるのに見落とす | まず最初に範囲に下線を引く |
例題で定着!相互関係の典型5パターン
ここからは、相互関係が「分かった気がする」から「テストで解ける」に変わるパートです。例題は、出題されやすい順に並べました。最初は型どおりに進めてOKです。
ポイントは2つだけです。
- まず2乗まで出して、最後に符号を決める
- tan θは
で最後にまとめる
例題1(基本)sinが分かる → cosとtanを求める
問題
、
のとき、cos θ と tan θ を求めよ。
方針(ここが型)
- sin2θ + cos2θ = 1 で cos2θを出す
- 範囲が第1象限なので cos θ は +
で仕上げる
解き方
より、
。
したがって
。
よって
だが、
なので
。
よって
。
最後に
。
答え
、
一言アドバイス
平方根のところで±が出たら、すぐ範囲を確認すると迷いません。
例題2(符号)第2象限のsin → cosの符号を確定する
問題
、
のとき、cos θ と tan θ を求めよ。
方針
- cos2θ = 1 - sin2θ で絶対値を出す
- 第2象限なので cos θ はマイナス
- tan θ は sin θ ÷ cos θ で符号も確定する
解き方
より、
。
よって
。
は第2象限なので
。
したがって 
。
答え
、
一言アドバイス
第2象限は「sin +、cos −」のセットで覚えると速いです。
例題3(tanスタート)tanが分かる → cos → sin の順で求める
問題
tan θ = 2、
のとき、sin θ と cos θ を求めよ。
方針
=
で 、cos2θ を出す- 第1象限なので cos θ は+
から sin θ を出す
解き方
tan θ = 2 なので tan2θ = 4。
1 + tan2θ = 5 より、
。
したがって
。
よって
だが、第1象限なので cos θ > 0。
よって
(分母を整えるなら
)。
次に
より、
(整えるなら
)。
答え
、
一言アドバイス
tan から入るときは「まず cos を作る」が最短です。
例題4(式の値)sinが分かる → sin + cos を求める
問題
、
のとき、sin θ + cos θ を求めよ。
方針
- 例題1と同じ流れで cos θ を出す
- そのまま足すだけでOK
解き方
例題1より
。
よって
。
答え

一言アドバイス
式の値は、まず sin・cos・tan のどれかにそろえると進めやすいです。
例題5(恒等式の証明)相互関係を差し込む“超典型”
問題
を示せ。
方針(証明で迷わないコツ)
- 1 - cos2θ を見たら、すぐ sin2θに置き換える
- そのあと分母とそろえて終わり
解き方
相互関係 sin2θ + cos2θ = 1 から、1 - cos2θ = sin2θ。
したがって左辺は
。
よって示された。
一言アドバイス
証明は「片方を統一」すると一気に進みます。両辺を別々にいじらないのがコツです。
【アドバイス】テストで点を落とさない!よくあるミスと直し方
例題が解けても、テスト本番で点を落とす原因は「同じミスの繰り返し」です。
ここでは、相互関係で特に多い失点パターンをまとめて、すぐ直せる形にします。
よくあるミス① 二乗の読み違い(見た目が似ていて危ない)
相互関係では、sin2θ や cos2θが頻出します。
ここを「sin 2θ」と混同すると、一気に崩れます。
| よくある混同 | 正しい意味 | すぐ見分けるコツ |
|---|---|---|
| sin2θ | (sin θ)2 | “2乗”が右肩にある |
| sin 2θ | sin(2θ) | 2がθの前にあり、角が2倍 |
テストでは、まず「2がどこにあるか」を確認すると安全です。
よくあるミス② 平方根を外すときに符号を落とす
cos2θ や sin2θ を求めた後、cos θやsinθに戻すときに必ず出るのが「±」です。ここを無視すると、例題2のような第2象限で必ずズレます。
失敗しやすい流れはこれです。
まではOK
と決め打ちしてしまう- 範囲が第2象限なのに符号が合わない
直し方はシンプルです。
- まず cos2θ を出す
- 次に
と置く - 最後に範囲で「+か-か」を決める
これだけで符号ミスはかなり減ります。
よくあるミス③ tanの扱いを別物にしてしまう
tanは、結局「sin ÷ cos」です。tanの値だけ追いかけると、符号や値の形がズレやすくなります。
| 状況 | まず戻す形 | ねらい |
|---|---|---|
| tanが出てくる | ![]() |
sin・cosに統一して整理 |
| tanが与えられる | ![]() |
まず cos を出す |
「tanが出たら、いったんsinとcosに戻す」だけ覚えておくと安定します。
よくあるミス④ 恒等式の証明で両辺を別々に変形して迷子になる
証明問題で多いのが、左辺も右辺も同時にいじって、途中で何をしているか分からなくなるパターンです。
おすすめは次の型です。
- 片方だけを変形する(基本は左辺)
- 目標の形(右辺)に近づける
- 相互関係で置き換えられる形を探す
特に、次の形が見えたらチャンスです。
- 1 - cos2θ → sin2θ に置き換えられる
- 1 - sin2θ → cos2θ に置き換えられる
- 1 + tan2θ →
に置き換えられる
「見えたら置き換える」で、証明は急に短くなります。
得点に直結する練習法(独自情報)
最後に、テスト前の仕上げとして効くやり方を紹介します。
- 1日3分でいいので、必修3本を「見ないで書く」
- 例題は、順番を固定する(sin → 符号 → tan → 証明の流れ)
- 計算の最後に必ず「範囲チェック」を入れる
短い時間でも、同じ型を回すほどミスが減っていきます。
まとめ|三角関数の相互関係で大事なこと
最後に、この記事のポイントを「テスト前に見返せる形」で整理します。
ここだけ読んでも、相互関係の使い方が思い出せるようにまとめました。
- 相互関係は、sin・cos・tanの値を相互に行き来させるための道具
- 公式が多く見えても、まずは必修3本に絞ると混乱しにくい
- tanが出たら、基本は「sin ÷ cos」に戻して整理すると安定する
- cos2θやsin2θから平方根で戻すときは、必ず「±」が出る
- 符号は計算では決まらないので、θの範囲(象限)で確定させる
- 例題の型は、2乗まで出す → 符号を決める → 最後にtanで仕上げる
- 恒等式の証明は、両辺を同時にいじらず、片方を統一してゴールに近づける
- 1 - cos2θ や 1 - sin2θ が見えたら、相互関係で置き換えると一気に短くなる
相互関係は、理解した直後よりも「数日後」に抜けやすい単元です。だからこそ、テスト前は一気に詰め込むより、短い復習を毎日回すほうが点に直結します。
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