複素数の絶対値の求め方は?──公式
と幾何学的意味を知りたい
複素数の絶対値ってどうやって求めるの?何を表しているの?
複素数 z = a + bi の絶対値は
で求めます。
複素数 z = a + bi の絶対値は
で求めます。
計算手順は、① 実部 a と虚部 b を特定、② それぞれを 2 乗、③ 和を求める、④ 平方根をとる、の 4 ステップです。幾何学的には、複素平面上で原点から複素数が表す点 (a, b) までの距離を表します。例えば
です。まずは下の"複素数の絶対値計算早見表"で、基本的な求め方を整理しましょう。
複素数の絶対値の求め方と考え方
複素数の絶対値は、一見複雑に見えますが、ピタゴラスの定理を使った距離の計算と本質的には同じです。実部と虚部を 2 乗して足し、平方根をとるだけで求められます。幾何学的な意味を理解すると、計算の意図が明確になります。
ここでは、計算手順と幾何学的な意味をまとめました。
複素数の絶対値を求める 4 ステップ
- ステップ1: 実部 a と虚部 b を特定
- ステップ2: それぞれを 2 乗
- ステップ3: 和を求める (a2 + b2)
- ステップ4: 平方根をとる(
)
ひと目でわかる"複素数の絶対値公式と意味"
複素数の絶対値の公式:

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 記号 | |z| (絶対値) |
| 計算方法 | 実部・虚部を 2 乗 → 和 → 平方根 |
| 幾何学的意味 | 原点からの距離 |
| 値の範囲 | (常に非負の実数) |
| 別の求め方 | (共役を使用) |
複素平面での幾何学的意味
複素数 z = a + bi を複素平面上の点 (a, b) として表すと、絶対値 |z| は原点 O (0, 0) からこの点までの距離を表します。
原点から点 (a, b) までの距離 
これはピタゴラスの定理そのものです。横方向に a、縦方向に b だけ進んだ点までの距離が |z| です。
直感的理解:
- |3 + 4i| = 5: 原点から点 (3, 4) までの距離が 5
- |1 + i| : 原点から点 (1, 1) までの距離が

- |5| = 5 : 原点から点 (5, 0) までの距離が 5 (実軸上)
複素数の絶対値の練習問題
問題1: |5 + 12i| を求めよ
解答・解説
この問題は、有名なピタゴラス数 (5, 12, 13) を使った例です。
【ステップ1】実部と虚部を特定
z = 5 + 12i より、a = 5, b = 12
【ステップ2】それぞれを 2 乗して和をとる
a2 + b2 = 52 + 122 = 25 + 144 = 169
【ステップ3】平方根をとる

答: 13
ピタゴラス数:(3, 4, 5), (5, 12, 13), (8, 15, 17) などは有名なピタゴラス数で、答えが整数になります。これらを覚えておくと計算が速くなります。
問題2:
を求めよ
解答・解説
この問題は、無理数を含む場合の計算例です。
【ステップ1】実部と虚部を特定
より、
【ステップ2】それぞれを 2 乗して和をとる

【ステップ3】平方根をとる

答: 2
問題3: |-3 - 4i| を求めよ
解答・解説
この問題は、負の実部・虚部を含む場合の計算例です。
【ステップ1】実部と虚部を特定
z = -3 - 4i より、a = -3, b = -4
【ステップ2】それぞれを 2 乗して和をとる
a2 + b2 = (-3)2 + (-4)2 = 9 + 16 = 25
【ステップ4】平方根をとる

答: 5
重要なポイント: 負の数を 2 乗すると正になるため、符号は絶対値に影響しません。
勉強の進め方と練習方法のアドバイス
- 公式を正確に覚える:
という公式を正確に覚えましょう。ピタゴラスの定理と同じ形なので、「距離を求める公式」として理解すると覚えやすいです。 - 実部と虚部を必ず特定: 計算を始める前に、実部 a と虚部 b を明確に書き出す癖をつけましょう。符号のミスを防げます。
- 2 乗の計算を丁寧に: 負の数の 2 乗、無理数の 2 乗など、2 乗の計算でミスが起きやすいので、各ステップを丁寧に行いましょう。
- 幾何学的イメージを持つ: 複素平面上で原点からの距離を求めているというイメージを持つと、計算の意味が明確になり、間違いに気づきやすくなります。
- 特殊なケースも確認: 実数 (b = 0)、純虚数(a = 0)、ゼロの場合など、特殊なケースでも公式が成り立つことを確認しましょう。
練習は、たとえば「入門問題 2 題→標準問題 3 題→実戦問題 2 題→仕上げの小テスト 10問」といった順で進めると、理解が深まるはずです。
間違えた問題は、原因別に整理します (実部と虚部の取り違え / 2 乗の計算ミス / 符号のミス / 平方根の計算ミスなど) 。翌日に同じタイプの問題を 1 問だけ解き直すことで、ミスの再発を防げます。
複素数の絶対値と関連するその他の重要知識
複素数の絶対値ができるようになると、複素数の理解が一気に深まります。ここでは、次のステップとして押さえておきたい重要な知識を確認していきましょう。
- 共役複素数: z = a + biの共役
を使うと、
という関係があります。これを使った計算方法も重要です。 - 極形式: 複素数を |z|(cosθ + isinθ) の形で表すと、絶対値 |z| は大きさを、 θは偏角を表します。
- 複素数の性質:
(積の絶対値)、
(三角不等式)など、重要な性質があります。 - 円の方程式: |z| = r は原点を中心とする半径 r の円を表します。
は点 Z0 を中心とする半径 r の円です。
余裕があれば、共役複素数を使った絶対値の導出や、極形式との関連を一度確認しておくと、理解の土台が強まり計算の不安が減ります。
まとめ|複素数の絶対値のポイント
ここまでの内容を振り返り、押さえておくべき複素数の絶対値のポイントを整理しましょう。
複素数の絶対値の公式: 
幾何学的意味: 複素平面上で原点からの距離
計算方法:
- 基本: 実部・虚部を 2 乗 → 和 → 平方根
- 別法:
(共役を使用)
主な性質:
(積の絶対値は絶対値の積)
(三角不等式)
(共役の絶対値は元の絶対値と同じ)
(絶対値がゼロなのはゼロのみ)
よくある間違いと対策:
- 間違い1: 実部と虚部の取り違え → 必ず書き出して確認
- 間違い2: 負の数の 2 乗を負にする → (-3)2 = 9 (正になる)
- 間違い3: 符号が絶対値に影響すると思う → 2 乗するので影響しない
- 間違い4: 平方根の計算ミス →
、
は簡単化しない
応用: 円の方程式(|z| = r)、領域の表示、極形式との関連
複素数の絶対値をマスターして、複素数を得意にしよう!
複素数の絶対値の理解は、高校数学の中でもつまずきやすい重要テーマです。しかし、
- 「公式の意味がよくわからない」
- 「幾何学的なイメージが持てない」
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(常に非負の実数)











