加法定理の使い方は?──角度計算から方程式まで 5 つの活用法を知りたい
加法定理ってどう使うの?実際の問題でどう活用するか教えて
加法定理は、2 つの角の和や差の三角関数を展開したり、逆にまとめたりする公式です。
加法定理は、2 つの角の和や差の三角関数を展開したり、逆にまとめたりする公式です。
主な使い方は 5 つ:
① 角度の値を求める (sin 75° = sin(45° + 30°) など)
② 式の展開
③ 式の簡単化 (逆向き利用)
④ 三角方程式の解法
⑤ 恒等式の証明
です。「 2 つの角の和・差があれば展開、積の形があればまとめる」が基本方針です。まずは下の"加法定理の使い方パターン早見表"で、どの場面でどう使うかを整理しましょう。
加法定理の使い方の手順と考え方
加法定理の使い方は、問題の形を見極めることが最初の一歩です。角度の和・差があるか、積の形があるか、方程式か、判断の順序さえつかめば、どの公式をどう使うべきかがすぐに分かるようになります。
ここでは、5 つの主要な使い方と判断のコツをまとめました。
加法定理を使う判断フロー
- 2 つの角の和・差が見える? → YES: 加法定理で展開
- sin α cos β のような積の形? → YES: 加法定理の逆向き利用で簡単化
- a sin θ + b cos θ の形? → YES: 三角関数の合成
- 方程式? → 展開または合成して統一
- 証明問題? → 片側を加法定理で変形
ひと目でわかる"加法定理の使い方パターン早見表"
| 使い方 | 目的 | 例 |
|---|---|---|
| ①角度の値を求める | 特殊角の組み合わせで計算 | sin 75° = sin(45° + 30°) |
| ②式の展開 | 和・差を展開して分ける | → sin x と cos x に分ける |
| ③式の簡単化 | 積の形を和の形にまとめる | sin α cos β + cos α sin β = sin(α + β) |
| ④三角方程式の解法 | 展開して一つの関数に統一 | sin(x + 30°) = cosx を解く |
| ⑤恒等式の証明 | 片側を変形して一致させる | 加法定理で左辺を右辺に変形 |
加法定理の公式
sinの加法定理:
sin(α + β) = sin α cos β + cos α sin β
sin(α - β) = sin α cos β - cos α sin β
cosの加法定理:
cos(α + β) = cos α cos β - sin α sin β
cos(α - β) = cos α cos β + sin α sin β
tanの加法定理:


符号の覚え方:
- sin : 素直 (符号そのまま) → sin(α + β) の真ん中は +
- cos : 反抗的 (符号反転) → cos(α + β) の真ん中は -
- tan : 分母の符号が反転 ( + なら分母は - )
加法定理の練習問題
問題1: sin 75° の値を求めよ
解答・解説
この問題は、75° を特殊角の和で表して加法定理を使います。
【ステップ1】角度を特殊角の和・差で表す
75° = 45° + 30°
【ステップ2】加法定理を適用
sin 75° = sin(45° + 30°) = sin 45° cos 30° + cos 45° sin 30°
【ステップ3】特殊角の値を代入

【ステップ4】計算して整理

答: 
ポイント:
- 75° = 45° + 30° または 75° = 120° - 45°
- 計算しやすい組み合わせを選ぶ (小さい角度の方が計算ミスが少ない)
- 分母を揃えてから足し算する
- 最後に約分できるか確認
問題2: sin 3x cos 2x + cos 3x sin 2x を簡単にせよ
解答・解説
この問題は、加法定理の逆向き利用です。積の形を和の形にまとめます。
【ステップ1】パターンの識別
与えられた式は「sin α cos β + cos α sin β」の形です。
これは sin(α + β)の展開式そのものです。
【ステップ2】加法定理の逆向き利用
sin 3x cos 2x + cos 3x sin 2x = sin(3x + 2x) = sin 5x
答: sin 5x
問題3: sin(x + 30°) = cos x (
)
解答・解説
この問題は、加法定理で展開して一つの三角関数に統一します。
【ステップ1】左辺を展開

【ステップ2】方程式に代入して整理


【ステップ3】両辺を cos x で割る( cos x ≠ 0 のとき)


【ステップ4】解を求める
より、x = 30°, 210°
【ステップ5】cos x = 0 の場合を確認
cos x = 0 のとき x = 90°, 270° ですが、これらを元の方程式に代入すると成り立ちません。
答: x = 30°, 210°
ポイント:
- 加法定理で展開して sin と cos の形に分ける
- 一方の三角関数にまとめる (この問題では tan に統一)
- 両辺を cos で割るときは、cos = 0 の場合を別途確認
- 求めた解が定義域内にあるか確認
勉強の進め方と練習方法のアドバイス
- 最初の30秒で公式を書き出す: テストが始まったら、余白に加法定理の 6 つの公式(sin、cos、tan の ±)を短くメモしておきます。特に符号 ( sin は素直、cos は反転) を確認しましょう。
- 問題のパターンを見極める:「和・差があるか」「積の形か」「a sin θ + b cos θ の形か」を最初にチェックし、使う公式を決めます。
- 特殊角の値を覚える: 30° , 45° , 60° の sin、cos、tan の値は必須です。これらを使った組み合わせ (15°, 75°, 105° など) も練習しましょう。
- 逆向き利用を意識する: 展開だけでなく、積の形を和の形にまとめる ( 逆向き利用 ) も重要です。どちらの方向でも使えるように練習します。
- 計算過程を丁寧に: 加法定理は計算ミスが起きやすいので、各ステップを丁寧に書き、特に符号のミスに注意しましょう。
練習は、たとえば「入門問題 2 題→標準問題 3 題→実戦問題 2 題→仕上げの小テスト 10 問」といった順で進めると、理解が深まるはずです。
間違えた問題は、原因別に整理します (符号のミス/公式の取り違え / 特殊角の値の間違いなど)。翌日に同じタイプの問題を 1 問だけ解き直すことで、ミスの再発を防げます。
加法定理と関連するその他の重要知識
加法定理ができるようになると、三角関数の世界が一気に広がります。ここでは、次のステップとして押さえておきたい重要な知識を確認していきましょう。
- 2 倍角の公式: 加法定理で α = β とすると、sin 2α、cos 2α、tan 2α の公式が導けます。
- 半角の公式: 2 倍角の公式を変形すると、
、
の公式が得られます。 - 三角関数の合成: a sin θ + b cos θ を
の形にまとめる技法で、最大値・最小値問題に活用できます。 - 積和・和積の公式: 加法定理から導かれる、積を和に、和を積に変換する公式です。
余裕があれば、加法定理の証明 (単位円や回転を使った証明) を一度確認しておくと、理解の土台が強まり計算の不安が減ります。
まとめ|加法定理のポイント
ここまでの内容を振り返り、押さえておくべき加法定理のポイントを整理しましょう。加法定理は、「未知を既知に、複雑を単純に」する強力なツールです。
加法定理の 5 つの主要な使い方:
- 1. 角度の値を求める: 特殊角の組み合わせで sin 75° などを計算
- 2. 式の展開: sin(α + β)を sin α、cos α などに分ける
- 3. 式の簡単化: 積の形を和の形にまとめる (逆向き利用)
- 4. 三角方程式の解法: 展開または合成して一つの関数に統一
- 5. 恒等式の証明: 片側を加法定理で変形して一致させる
重要な注意点:
- sin(α + β) ≠ sin α + sin β (よくある間違い)
- 符号のミスに注意 (cos は符号が反転)
- 特殊角の値は正確に覚える
基本方針: 問題の形を見極め、展開すべきかまとめるべきかを判断する
加法定理をマスターして、三角関数を得意にしよう!
加法定理の理解は、高校数学の中でもつまずきやすい重要テーマです。しかし、
- 「どの公式を使えばいいかわからない」
- 「符号がごちゃごちゃになる」
- 「逆向き利用がいつ使えるのかわからない」
といった壁に直面する高校生は多いです。そんなときに役立つのが進研ゼミのAI質問機能(お試し無料)。
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→ sin x と cos x に分ける











