置換積分はどこを置換すればいい?
置換積分はどこを置換すればいい?|定積分の範囲変換までの方法とは
合成関数の中身・根号の中・分母を単純化する式・三角/指数の“まとまり”のいずれかを t に置けば、積分は標準形へ収束します。
合成関数の中身・根号の中・分母を単純化する式・三角/指数の“まとまり”のいずれかを t に置けば、積分は標準形へ収束します。
特に、合成関数の中身・根号の中・分母の複雑な式・三角や指数の“まとまり”などを tにすると、積分が標準形に変形されて解きやすくなります。
定積分は範囲を t に変換してから計算するのが鉄則。これだけで大半は解けます。
置換積分で t を決める手順(意思決定フロー)
置換積分では「どこを t にすれば簡単になるか」を見抜くのが最初のステップです。
次のように考えると決めやすくなります。
-
1. 合成関数の形になっていないか?
例:f(g(x))g'(x) が見える → t = g(x) -
2. 根号がある場合
例:
, 
→ 根号の中身を t に置く(2次式は平方完成をしてから t にする) -
3. 分母が標準的な形か?
例:x2 + 1、a2 + x2 など
→ t = x2 や三角置換を使って標準形へ近づける -
4. 三角・指数・対数の“まとまり”がある場合
例:
など
→ひとかたまりを t にする(t = x2, ex, sin x など) -
5. 最後に dx に合わせて dt をつくる
dt をつくるときは必ず係数・符号を正しく調整してから使う。 -
6. 定積分は範囲も t に変換する
メモ:「簡単にしたい場所= t」と覚えると判断が早くなります。
置換積分の定義と公式(不定積分・定積分)
まずは置換積分のルールを理解しておくと、迷いがなくなります。
不定積分の置換
置換の狙い:
合成関数 f(g(x)) を “中身を t にして1段階簡単な形にする”。
直観:
微分の連鎖律を 逆向きに使うイメージです。
dt = g'(x)dx を式に“差し替える”だけで積分できます。
定積分の置換(範囲変換)
原則:
x をすべて t に置き換えたら、積分区間も t に合わせて変換する。
区間変換は、
x = a のとき t = g(a)、x = b のときt = g(b)
のように代入して行います。
戻し方:
数値が出たら終わり。定積分では x に戻す必要はありません。
手順は常に同じ3ステップ
ポイントは式変形→ dt 作成 →(定積分は)範囲変換の3ステップを固定することです。
- 1. 置換を決める(t = g(x))
- 2. dt = g'(x)dxをつくる(係数・符号を調整)
- 3. 区間変換をして積分する(定積分の場合)
置換積分に関する練習問題
置換積分は、積分の中で特に「式のまとまりを見抜く力」が問われる分野です。ポイントは、
- 合成関数の中にg(x)とg'(x) が揃っていないか
- 根号や分母などが 1つのまとまり(t)に置き換えられないか
- 三角関数同士が 基本恒等式で扱いやすい形に変わらないか
を見て、“t にした方が計算が簡単になる場所” を探すことです。ここでは、置換積分の典型的な3パターンを練習問題としてまとめました。
それぞれの問題で「どこを t と置くか」「dt がどう変わるか」を意識しながら進めてみましょう。
問題1:
解法・解説:
g(x), g'(x)ペア型:合成関数の置換
t = sin x とおくと dt = cos xdx
よって
問題2:
解法・解説:
根号内を単純化する型
t = 2x + 1 とおくと dt = 2dx から
よって
問題3:
解法・解説:
三角関数のまとまり型
t = sin x or t = cons x でもどちらも可能です。
まずは自分で「どちらが簡単か」を判断する練習になります。
t = sin xとおくと
dt = cos xdx
定積分の置換積分|範囲変換の手順と注意点
積分で置換したら、積分区間も必ず x から t へ写像します。ここを外すと、正しい値に到達できません。被積分関数と微分要素だけでなく、積分区間そのものが変数変換で別変数に移るからです。
原則(3ステップ)
- 1. 置換を決める:

- 2.
を用意:係数・符号を調整 - 3. 区間変換:

よくあるミスとチェックリスト
- dt の係数を落とした
- 範囲変換を忘れた/ずらした
- x が混在したまま積分実行した
- 「簡単にしたい場所」と異なる所を t に置いた
- 逆三角・対数の微分公式を取り違えた
| 形(見え方) | 置く場所 (t=) | (dt) の作り方 | 仕上がりの型 |
|---|---|---|---|
![]() |
g(x) | g'(x)dx | ![]() |
![]() |
ax + b | adx | べき関数 |
![]() |
平方完成→中身 | 導関数を添える | 三角/双曲線置換も視野 |
![]() |
tan x | — | |
![]() |
1 + x2 | 2xdx | log(1 + x2) |
| sin x cos x | sin x or cos x | もう一方が dt | べき+置換 |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
まとめ|置換積分の t の決め方と範囲変換のポイント
ここまでの内容を振り返り、高校数学で押さえておきたい置換積分のポイントを整理しましょう。
置換積分の基本原理
計算を簡単にしたい部分を t に置くことで式を標準形に変える方法
例:合成関数の中身/根号の中/分母の複雑な式/三角・指数のまとまりなど
- 不定積分は t と dt に置き換えて積分するだけ
- 定積分は 積分区間も t に変換するのが必須
t の決め方のコツ
- まず「どこが一番複雑か?」を見る
- 合成関数 f(g(x))が見える → g(x)を t に
→ 根号の中や平方完成した中身を t に- 1 + x2 や三角関数のまとまり → ひと固まりを t に
「簡単にしたい場所= t」と覚えると判断がはやくなります
典型パターン
- g(x), g'(x) のペア型(合成関数)
- 根号の中を単純化する型
- 1 + x2 の形を三角関数で処理する型
- 三角関数の積の“まとまり”型
- 指数・対数の”まとまり”型
頻出パターンを覚えると 30 秒で置く場所が判断できる
ミス防止のチェックポイント
- dt の係数・符号を正しく調整しているか
- t に置いたのに、式の中に x が残っていないか
- 定積分なら積分区間を t に変換したか
- 逆三角関数や対数の微分公式を取り違えていないか
- “簡単にしたい場所”とズレた置換をしていないか
置換積分の公式や計算手順は覚えられても、
- 「どこを t に置けばいいのか判断できない」
- 「dt の係数調整でつまずいて式がつながらなくなる」
- 「定積分の範囲変換を忘れて、答えが合っているか不安になる」
といった壁に直面する高校生は多いです。そんなときに役立つのが進研ゼミのAI質問機能(お試し無料)。
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