期待値とは?
期待値とは?平均との違いや公式、離散型と連続型の求め方を知りたい
期待値は、「値 × 確率」を全部足し合わせて求める“重み付き平均” です。データの平均とは別物なので、まずはこの違いを押さえることが大切です。
期待値は、「値 × 確率」を全部足し合わせて求める“重み付き平均” です。データの平均とは別物なので、まずはこの違いを押さえることが大切です。
定期テストでは、以下いずれかで最短ルートの解答ができます。
① 表を作って「値 → 確率 → かけ算」を並べる方法 と
② 線形性 E(aX + bY + c) = aE(X) + bE(Y) + cを使って分けて足す方法
一方で、
- 期待値=1回で出る値だと思い込む
- サイコロ2個の和で全通り表を作りすぎて時間を失う
- 連続型の積分の意味がつかみにくい
といったつまずきも多い単元です。これらの誤解をひとつずつ解消しながら、最速で期待値を計算する流れを身につけていきましょう。
まず覚えるべき「期待値の表」のテンプレート
期待値E(X) を求めるときは、次の3列をサッと作るだけで計算が一気に整理されます。
- 値(
):起こりうる結果 - 確率(
):その結果が出る確率 - かけ算(
・P):値に、確率という“重み”をかけたもの
値 ![]() |
確率 ![]() |
× P |
|---|---|---|
| … | … | … |
| 合計 | — | E(X) |
手順はこの3ステップに固定すると安定します。
- 1. 値の列を書く
- 2. 確率の列を書く
- 3. 「値 × 確率」を計算して最後に全部足す
また、和や定数倍があるときは 線形性
を使うと、一気に計算が短くできる場面が多いです。
期待値の定義と基本公式(離散型)
期待値とは、「値 × その値が出る確率」をすべて足し合わせた重み付き平均です。結果の“起こりやすさ”を反映した平均というイメージを持つと、理解が安定します。
期待値の定義(離散型)
- 取りうる値(
) - その確率(
) - かけ算して全部足す
という形です。点数やサイコロのように離散的な場合は、この定義で求めます。
期待値の性質:線形性(便利なショートカット)
期待値には線形性があり、これはどんな状況でも必ず成り立ちます。独立かどうかに関係ない点がとても重要です。
- aX → “値が a 倍される”
- bY → “別の確率変数の期待値を足す”
- c → “常に c が足されるので、そのまま足すだけ”
分散の性質とは違うので、混同しないように注意しましょう。
期待値と平均(標本平均)の違い
期待値と平均は名前が似ているため、同じものだと誤解しがちです。しかし、期待値は「理論上の平均」、 平均(標本平均)は「実際のデータの平均」 というように役割がまったく異なります。
期待値:
- 確率モデル上の理論的な平均
- 「長く繰り返したときの平均値」を意味する
平均(標本平均):
- 実際に集めたデータの平均
- 観測データの中心を表す値
→名前は似ていますが、目的が異なるため、テストでは必ず区別する必要があります。
連続型確率変数の期待値(密度関数を使う場合)
値が連続して変化する(例:身長、時間、距離など)の場合は、確率を「密度」で表すため、積分を使って期待値を求めます。
ここで、
- f(x):その点での“確率の濃さ”(高さ)
- x × f(x):その瞬間の“重み”
- それを面積として全体に積み上げる→期待値になる
と理解すると、計算の意味がつかみやすくなります。
期待値の練習問題
例題1:サイコロ1個の期待値
解法・解説
サイコロの目を確率変数 X とする(1〜6が各
)
| 目 (x) | 確率 (P) | (x × P) |
|---|---|---|
| 1 | ![]() |
![]() |
| 2 | ![]() |
![]() |
| 3 | ![]() |
![]() |
| 4 | ![]() |
![]() |
| 5 | ![]() |
![]() |
| 6 | ![]() |
![]() |
| 合計 | — | ![]() |
答え:E(X) = 3.5
「最頻値=期待値」と混同しないようにしましょう。小数・分数はそのままでOKです(整数に直す必要はなし)。表の列順序は「値→確率→かけ算」の固定ルーティンにすると速くなります。
例題2:サイコロ2個の和の期待値
解法・解説
サイコロを2個投げ、出た目を X、Y とし,和を S = X + Y とします。
期待値は線形性をもち,独立でなくても
が成り立ちます。今回 a = b = 1、c = 0 であるから
全通り表を作らなくても解けるのがポイントです。
期待値を正確に求めるための計算アドバイス
期待値の計算は、手順を固定しておくとミスがほとんどなくなります。次の3つを意識すると安定して解けます。
解き始めに「値・確率・かけ算」の3列を欄外に必ず書く
どんな問題でも、この3列を先に作ってしまうと全体の見通しがよくなります。表を作るだけで「どの値に何の確率をかけるのか」が整理され、途中で迷わなくなります。
線形性が使えるときは、“分けて足す”で一気に短縮する
上記が使えると、複雑な問題でも期待値を分解して計算でき、表を作らずに1行で終わることもあります。特に和(X + Y)や定数倍(2X)が出た瞬間、「線形性は使えないか?」と考える癖をつけると計算が速くなります。
迷ったら“期待値=理論上の平均、標本平均=データの平均”を確認する
テストでは「期待値の式」と「データの平均」を取り違えるミスが多いです。
期待値は確率モデルの側(理論)、標本平均は観測データの側(実測)という関係を思い出すと、どちらを求めればよいか迷わなくなります。
まとめ|期待値の公式・性質・平均との違いのポイント
ここまでの内容を振り返り、高校数学で押さえておくべき期待値のポイントを整理しましょう。
期待値の定義
- 期待値とは「値 × 確率」をすべて足し合わせた重み付き平均
- 定義:

- 標本平均(データの平均)とは目的が異なるので混同しない
計算の基本手順
- まず「値の列→確率の列→かけ算」の3列の表を作る
- 和や定数倍があるときは 線形性 E( aX + bY + c) = aE(X) + bE(Y) + c を使うと最短
- 全通り表は最後の手段。まずは線形性で分けて計算する
連続型の期待値
- 密度関数 f(x) のとき、

- f(x) は“高さ”、x f(x) を積み重ねた面積が期待値になるイメージ
- グラフの面積として理解するとつまずきにくい
期待値の定義や公式は覚えられても、
- 「“値×確率”を足す理由が納得できない」
- 「線形性の使い方が分からず、途中の計算がつながらない」
- 「表を作って解いたけれど、自分の計算が正しいか不安」
といった壁に直面する高校生は多いです。そんなときに役立つのが進研ゼミのAI質問機能(お試し無料)。
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