等差数列の和ってどう求めるの?
等差数列の和ってどう求めるの?2つの公式の使い分けと「なぜそうなるか」を知りたい
まず「何が与えられているか」で型を決めます。
まず「何が与えられているか」で型を決めます。
初項・末項・項数がわかるなら“初項と末項でまとめる型”、初項・公差・項数がわかるなら“初項と公差で積み上げる型”を使います。どちらも、並べた数列と逆順の数列を足し合わせると同じ和が繰り返し現れる、という仕組みから導かれます。
実戦では、末項や項数の取り違えに注意しつつ、与件に合う型を即決するのが時短のコツです。和が分かっているときは逆に項数を求めることもできます。
等差数列の和の公式2種類を確認しよう
等差数列の和の公式は
初項
末項
項数 n のとき
②初項
公差
項数 n のとき
の2種類存在します。
①は初項、末項、項数がわかっているときに使います。また、②は初項、公差、項数がわかっているときに使います。
具体的に考えてみよう
以下のような数列の初項から第n項までの和
を考えます。
これは、初項が2, 公差が2とわかっているので、②の公式を用いて
と表すことができます。
練習してみよう
(1) 初項3, 末項32, 項数6の等差数列の和を求めましょう。
(2) 初項16, 公差-3, 項数13 の数列の和を求めましょう。
《解答》
-
(1) 初項と末項がわかっているので、①の公式を使います。
答え:105 -
(2) 初項と公差がわかっているので、②の公式を使います。
答え:-26
等差数列とは?
等差数列の定義
等差数列とは、隣り合う項どうしの差がいつも同じになっている数列のことです。具体的に考えてみましょう。
これは、初項1, 公差2, 項数9の等差数列です。
練習してみよう
次の等差数列の初項、公差、項数を求めましょう。
(1) 2 5 8 11 14 17 20 23
(2) 1 7 13 19 25 31 37 43 49 55
《解答》
(1) 初項2, 公差3, 項数8
(2) 初項1, 公差6, 項数10
等差数列の一般項
数列
の第n項が
の式で表されるとき、これを数列
の一般項といいます。
等差数列の一般項は、初項
交差dとすると
と表されます。これは、初項
から第n項
までには( n - 1)個の差があり、それぞれの差がdなので、初項に( n - 1)dを加えることで導出できます。
練習してみよう
次の等差数列の一般項を求めましょう。
(1) 0 4 8 12 16 20 24 28 32 …
(2) ‐10 ‐4 2 8 14 20 26 32 …
《解答》
(1) 初校
= 0, 公差d = 4,
= 4(n - 1)
(2) 初校
= -10, 公差d = 6,
= 6n - 16
公式の導出(ペアリング法)
等差数列の和の公式で最も直感的で美しい導出方法は、ペアリング法です。ペアリング法は古くから知られる古典的で直感的な導出法として広く用いられています。
これは、等差数列を順番通りに並べたものと、逆順に並べたものを足し合わせる考え方になります。
それでは、公式を導出してみましょう。
まず、等差数列の和を
とします。
この数列を項の順序を逆にすると
と表すことができます。この2つの式を上下にたすと、
のようになります。かっこで括ったペアは、それぞれ下記のように表すことができます。
これらより、対応するペアはすべて同じ値
であることがわかります。このペアがn個あるので
と表すことができます。よって、等差数列の和
は
と表すことができます。これは、冒頭に紹介した①の公式ですね。ここで、等差数列の一般項は
と表すことができるので、この式を代入すると
と表すことができます。これが、冒頭に紹介した②の公式になります。
これで、等差数列の和の公式2つを導出することができました。
公式の使い方
ここからは、この2つの公式の使い方についてより詳しい使い方を確認してみましょう。
基本例題の確認
ここでは、以下の等差数列の和を、2つの公式を利用して解いて、両方の公式で同じ結果が得られることを確認してみましょう。
これは、初項-16、 公差5、 末項29、項数10の等差数列です。①の式を用いると
②の式を用いると
これらより、両方の公式で同じ結果が得られることが確認できました。
応用1 和
から項数nを求める
等差数列の和、初項、末項がわかっているとき、
を用いてnを求めます。
具体的に考えてみましょう。
初項2、末項50、等差数列の和が208の数列を考えると、
を用いると
と表すことができます。これを解くと
となります。
次に等差数列の和、初項、公差がわかっているとき、
を用いてnを求めます。
具体的に考えてみましょう。
初項3、公差4、等差数列の和が55の数列を考えると、
を用いると


と表すことができます。これを解くと
となります。nは正の整数より、 n = 5となります。
《練習問題》
次の数列の項数を求めましょう。
(1) 初項12、末項-20、等差数列の和が-44の数列
(2) 初項1、公差7、等差数列の和が204の数列
《解答》
(1) n = 11 (2) n = 8
応用2 2つの部分和から
、dを求める
2つの部分和から
やdを求める方法があります。具体的に考えてみましょう。
ある等差数列で、初項から第4項までの和が8、初項から第10項までの和が140です。この数列の初項と公差を求めましょう。
等差数列の和の公式より


となります。この式を連立することにより
となります。
応用3 連続する奇数・偶数の和
実用的な計算として、連続する奇数や偶数の和を求める問題を考えてみましょう。
1から99までの奇数の和を求めましょう。
奇数列は1, 3, 5, 7…99です。これは初項1、公差2の等差数列です。これより一般項は
= 
となります。末項が99であることより、一般項の式から項数nを求めることができます。
99 = 2n - 1
n = 50
これより、1から99までの奇数の和は
となります。偶数の場合も同じ手順でやってみましょう。
練習してみよう
2から100までの偶数の和を求めましょう。
《解答》
2550
まとめ|等差数列の和の意味と大事なポイント
等差数列の和には使い分けるべき“2つの型”がある
→ 「初項・末項・項数がわかる型」と「初項・公差・項数がわかる型」。状況で選ぶだけで計算が一気に速くなる。
なぜその公式になるかも押さえる
→ 並べた数列と逆順に並べた数列を足し合わせる“ペアリング法”で、和の仕組みが直感的に理解できる。
よく使う活用パターン
→ 和から項数を求める/2つの部分和から初項と公差を出す/連続する奇数・偶数の和を一気に求める。
ミスしやすいところ
→ 「どの型を使うか」で迷う、末項の取り違え、負の公差での符号ミス。
→ まずは“何が与えられているか(初項・末項・公差・項数)”を見て型を即決する。
定着させるコツ
→ 例題は必ず“両方の型”で計算して同じ答えになることを確認(使い分けの感覚が身につく)。
→ 文章題は「周期・個数の算出 → 和に代入」の順番をルール化。
ただ実際の学習では、
- どの型を使うか判断に時間がかかる
- 末項や項数の算出でつまずく
- 公差が負のときに符号で崩れる
といった壁に直面する高校生は多いです。そんなときに役立つのが 進研ゼミのAI質問機能(お試し無料)。
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