最小公倍数ってどうやって求めるの?
最小公倍数ってどうやって求めるの?3つの方法と最大公約数との違いを知りたい
2つ以上の整数に共通する倍数のうち、最も小さいものを「最小公倍数」といいます。
2つ以上の整数に共通する倍数のうち、最も小さいものを「最小公倍数」といいます。
「倍数」「公倍数」の意味を整理すると理解しやすく、さらに「最大公約数」と対になる概念として学ぶと混乱しにくくなります。以下で詳しく見ていきましょう。
最小公倍数の定義と意味
「最小公倍数ってどういう数?」と疑問に思う人は多いですね。
まずは用語を整理しましょう。
- 倍数:ある整数を整数倍した数のこと。例:6の倍数は 6, 12, 18, 24, …
- 公倍数:2つ以上の整数に共通する倍数のこと。例:6と8の公倍数は 24, 48, 72, …
そして、最小公倍数(LCM)とは、これらの公倍数のうち「最も小さい正の整数」です。
例として「6と8」の場合を見てみましょう。
| 数 | 倍数 |
|---|---|
| 6の倍数 | 6, 12, 18, 24, 30, 36, … |
| 8の倍数 | 8, 16, 24, 32, 40, … |
両方に共通する最小の数が 24 です。これが「6と8の最小公倍数」となります。
ここでよく混同されるのが 最大公約数(GCD) です。最大公約数は「両方の数を割り切る最大の数」、最小公倍数は「両方の数で割り切れる最小の数」で、対になる概念です。
- 6と8の最大公約数:2
- 6と8の最小公倍数:24
この2つをペアで押さえておくと、理解がぐっと深まりますよ。
最小公倍数を求める方法は、大きく3通りあります。
「倍数を書き出す方法」「連除法(はしご算)を使う方法」「素因数分解を使う方法」です。
小さい数のときは倍数を書き出す方法が便利で、複数の数や入試問題では連除法や素因数分解を使うと効率的です。状況に応じて最適な方法を選べるようにしておきましょう。
最小公倍数の求め方
1. 倍数を書き出して最小公倍数を求める
もっとも基本的な方法は、倍数を順に書き出して共通部分を探すやり方です。
例題:6と8の最小公倍数
- 6の倍数:6, 12, 18, 24, 30, 36, …
- 8の倍数:8, 16, 24, 32, 40, …
両方に共通して現れる最小の数が 24 です。
ポイント
- 小さい数どうしならこの方法が一番わかりやすい。
- ただし大きな数になると倍数が膨大になり、効率が悪くなります。
よくある誤答
「途中で止めて、24より大きな共通倍数を選んでしまう」ケースがあります。
必ず最小の共通倍数を見つけることが大事です。
2. 連除法(はしご算)を使って最小公倍数を求める
連除法(はしご算)は、複数の数を同時に割っていき、最小公倍数を求める方法です。特に3つ以上の整数の最小公倍数を効率よく計算したいときに便利です。
例題:12, 18, 30の最小公倍数を求めよう
1. 数を横に並べて書き、左に小さい素数から割っていきます。
左の縦の数(2,3)は、すべての数を割ることができる公約数の部分であり、これらを掛け合わせると最大公約数(GCD)になります。
一方、下の横の数(2,3,5)は、それぞれの数を割り切るために必要な最小公倍数(LCM)を作る要素です。
つまり、縦は「共通する部分(GCD)」、横は「すべてを含む部分(LCM)」を表しています。
2. 左に書いた「2, 3, 2, 3, 5」をすべて掛け合わせます。
2×3×2×3×5=180
したがって、最小公倍数は180 です。
ポイント
- 割り切れる数があれば必ず割り算を続ける。
- 最後に「すべて1」になるまで割り続けるのが正しいやり方。
- 右に並んだ数をすべて掛けると最小公倍数になる。
よくある間違い
- 途中で割り切れない数が出たときに、計算を止めてしまう。
- 右に書いた数を掛け忘れてしまう。
これらを避けるには、「必ず最後まで割り切って1にする」ことを意識しましょう。
3. 素因数分解を使って最小公倍数を求める
素因数分解を使う方法は、数学Aで学習する内容と直結しており、理論的で確実な方法です。
例題:12と18の最小公倍数を求めよう
1. それぞれの数を素因数分解する。
- 12 = 22 × 3
- 18 = 2 × 32
2. 各素因数について「指数の大きい方」をとる。
- 2については 22 をとる。
- 3については 32 をとる。
3. それらを掛け合わせる。
22 × 32 = 4 × 9 = 36
したがって、最小公倍数は36です。
ポイント
- 複数の数が出てきても同様に処理できる。
- 指数の大きい方をとるのがルール。
よくある間違い
-
指数の小さい方をとってしまう。
例:上の例で「2×3=6」としてしまう誤答。 - 素因数分解のミス(特に大きな数で割り算を飛ばす)に注意。
最大公約数との関係
2つの整数 a,bについては、次の関係式が成り立ちます:
a × b = 最大公約数 × 最小公倍数
この公式を覚えておくと、片方を素早く求められる場面も多いです。
基本問題で最小公倍数の求め方を確認しよう
ここまでで、最小公倍数を求める3つの方法を学びました。
次は実際に例題を解いてみましょう。基本的な問題を通して、手順をしっかり定着させることが大切です。
例題1|2つの数の最小公倍数
問題
12と18の最小公倍数を求めよ。
解答
-
1. 素因数分解する。
12 = 22 × 3
18 = 2 × 32 -
2. 指数の大きい方をとる。
2については22
3については32 -
3. 掛け合わせる。
22 × 32 = 36
したがって、最小公倍数は36。
例題2|3つの数の最小公倍数
問題
8, 12, 20の最小公倍数を求めよ。
解答
-
1. それぞれを素因数分解する。
8 = 23
12 = 22 × 3
20 = 22 × 5 -
2. 指数の大きい方をとる。
2については23
3については3
5については5 -
3. 掛け合わせる。
23 × 3 × 5 = 120
したがって、最小公倍数は120。
ポイント
- 2つの数は倍数を書き出しても求められるが、3つ以上では「連除法」や「素因数分解」が効率的。
- 迷ったら「素因数分解」を使うと間違いが少ない。
応用・入試レベルの最小公倍数の問題に挑戦
基本問題ができるようになったら、模試や入試でよく出る応用問題にも挑戦してみましょう。
大きな数や文章題では、最小公倍数を素早く正しく求められる力が大切です。
例題3|大きな数の最小公倍数
問題
100と120の最小公倍数を求めよ。
解答
-
1. 素因数分解する。
100 = 22 × 52
120 = 23 × 3 × 5 -
2. 指数の大きい方をとる。
2については 23
3については 3
5については 52 -
3. 掛け合わせる。
23 × 3 × 52 = 600
したがって、最小公倍数は600。
例題4|仕事算と最小公倍数
問題
Aさんは3日ごと、Bさんは4日ごとに同じ作業をします。2人が同じ日に作業するのは何日ごとですか?
解答
- Aは3の倍数の日に作業、Bは4の倍数の日に作業。
- 3と4の最小公倍数は12。
- よって、12日ごとに2人が同じ日に作業する。
例題5|最大公約数との関係を利用する問題
問題
2つの整数の積が 180 で、最大公約数が 6 のとき、最小公倍数を求めよ。
解答
2つの整数a,bの最大公約数と最小公倍数には次の関係式があります:
a × b = 最大公約数 × 最小公倍数
ここで、
180 = 6 × 最小公倍数

したがって、最小公倍数は30。
ポイント
- 大きな数は素因数分解で整理する。
- 文章題では「周期」や「繰り返しのタイミング」を見抜く。
- 最大公約数との関係を使うと、逆算問題にも対応できる。
最小公倍数で間違えやすいポイントと対策
最小公倍数は一見シンプルですが、テストや入試でよくある間違いも多い分野です。
ここでは、典型的な誤答例とその対策を整理しておきましょう。
最大公約数と混同してしまう
誤答例
「12と18の最小公倍数を求めよ」と問われて、最大公約数の6を答えてしまう。
対策
- 「公倍数はかけ算で広がる、約数は割り算で小さくなる」というイメージを持つ。
- 問題文に「最小公倍数」か「最大公約数」かが書かれているので、キーワードを見落とさない。
倍数の書き出し不足で誤答する
誤答例
「8と12の最小公倍数」を求めるとき、
- 8の倍数:8, 16, 24, 32
-
12の倍数:12, 24, 36
を途中までしか書かず、24を見落とす。
対策
- 必ず「両方に共通する最小の数」を確認する。
- 書き出すときは5つ以上は並べてみること。
素因数分解で指数を小さい方にしてしまう
誤答例
12 = 22 × 3,18 = 2 × 32 から、指数の小さい方をとって
2 × 3 = 6 と答えてしまう。
対策
- 最小公倍数では「指数の大きい方をとる」ルールを必ず意識する。
- 最大公約数との違い(小さい方をとるのがGCD、大きい方をとるのがLCM)を対比させて覚える。
まとめポイント
- 「最大公約数と混同」「倍数の書き出し不足」「指数の取り違え」が3大ミス。
- 正しいルールを意識すれば必ず防げる。
まとめ|最小公倍数の意味と大事なポイント
最小公倍数は「2つ以上の整数に共通する倍数のうち、最も小さい数」
→ 最大公約数と対になる重要な概念。
求め方は3種類
→ 倍数を書き出す/連除法(はしご算)/素因数分解。状況に応じて使い分ける。
最大公約数との関係が便利
→ 2つの数の積は「最大公約数 × 最小公倍数」で表せる。逆算問題でも活用できる。
応用範囲が広い
→ 繰り返しの周期を求める仕事算や、入試の整数問題で頻出。
ただ実際の学習では、
- 最大公約数と混同してしまう
- 倍数の書き出しが不十分で見落とす
- 素因数分解で指数を小さい方にしてしまう
といった壁に直面する高校生は多いです。そんなときに役立つのが 進研ゼミのAI質問機能(お試し無料)。
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