ベクトルって何?
ベクトルとは?意味・スカラーとの違い・成分表示や等しいベクトルの考え方も知りたい
ベクトルとは、「向き」と「大きさ」をもつ量のことです。高校数学Cの「平面ベクトル」では、図形や座標を使ってベクトルを扱います。
ベクトルとは、「向き」と「大きさ」をもつ量のことです。高校数学Cの「平面ベクトル」では、図形や座標を使ってベクトルを扱います。
ベクトルとは何か?
ベクトルは、次のように考えるとわかりやすいです。
- 向きがある … どちらの方向に進むか
- 大きさがある … どのくらいの長さ・強さか
たとえば、
- 「風速5m/s 北向きの風」
- 「右に3m進む移動」
これらは「向き」と「大きさ」の両方をもつのでベクトルです。
スカラーとの違いを明確にしよう
ベクトルとよく比べられるのが、スカラー量です。
| 種類 | 特徴 | 例 |
|---|---|---|
| スカラー | 大きさだけをもつ量 | 気温30℃、時間2時間、質量60kg |
| ベクトル | 大きさ+向きをもつ量 | 風速5m/s 北向き、右に3m進む移動、力10Nを下向きに加える |
- スカラーは「数値だけで表せる量」。気温や時間のように「どの方向か」を考える必要がありません。
- ベクトルは「大きさに加えて方向も必要な量」。力や速度のように「どっち向きか」がないと意味が伝わりません。
ポイントは、「方向を持つかどうか」。同じ「大きさ」を持つ量でも、方向を必要とするかしないかで、スカラーかベクトルかが決まります。
ベクトルの例題をチェック
例題
「風速5m/s の北向きの風をベクトルで表すと?」
解答
- 大きさ:5
-
向き:北
→ 矢印で「北向きに長さ5」のベクトルとして表される。
このように、ベクトルは「ただの数」ではなく、方向も大きさもセットで考える量だと理解するのが第一歩です。
ベクトルの表し方(記号・成分)
ベクトルは大きさと向きをもつ量ですが、数学で扱うには「どう表すか」を理解しておく必要があります。代表的な方法は次の3つです。
矢印でベクトルを表す
もっとも直感的なのが 矢印 です。
- 矢印の長さ → 大きさ
- 矢印の向き → 方向
例えば、点Aから点Bに進むベクトルは「矢印AB」として表します。
記号でベクトルを表す
図を使わずに表したいときは、記号を使います。
| 表記 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
![]() |
ベクトルAB | 始点Aから終点Bへ進むベクトル |
![]() |
ベクトルa | 任意のベクトル |
![]() |
零ベクトル | 大きさ0のベクトル |
矢印で表したものを、記号に変えて簡潔に扱えるのがこの段階です。
成分でベクトルを表す
さらに、計算をするには 座標を使った成分表示 が便利です。
点A(
,
)、点B(
,
)があるとき、
= (
ー
,
ー
)
で表します。
成分表示の例題で解説
例題
点A(1,2)、点B(4,6)のとき、ベクトル
を成分で表せ。
解答
ポイント
- 終点 − 始点 の順で計算する
- x座標・y座標それぞれで差をとる
ここまでで、「矢印」「記号」「成分表示」の3通りの表し方を整理しました。場面に応じて正しく使い分けられることが大切です。
等しいベクトルの条件と確認方法
ベクトルは「向き」と「大きさ」をもつ量です。では、異なる場所にあっても等しいベクトルとみなされるのはどんな場合でしょうか。
等しいベクトルとは?
2つのベクトルが等しいとされる条件はシンプルです。
- 向きが同じ
- 大きさが同じ
この2つがそろっていれば、始点や終点の位置が違っていても 等しいベクトル になります。
例えば、下の図のように平行移動した矢印は位置が違っても等しいベクトルです。
見た目の位置ではなく、成分が一致しているか で判断するのが数学的な考え方です。
等しいベクトルの例題で解説
例題
A(1,2),B(4,6),C(5,1),D(8,5)のとき、
=
かどうかを答えなさい。
解答
= (4-1,6-2)=(3,4)
= (8-5,5-1)=(3,4)
両方とも成分が (3,4)で同じなので、
=
である。
ポイント
- 始点や終点の座標が違っても、成分が一致すれば等しい
- 「見た目」で判断せず、必ず成分で確認する
等しいベクトルを正しく理解しておくと、図形問題や証明で混乱せずに進められます。
ベクトルの基本用語を理解しよう
ベクトルには、特別な意味をもついくつかの種類があります。ここでは 零ベクトル・逆ベクトル・単位ベクトル を整理しましょう。
零ベクトルとは?
零ベクトルとは、大きさが0で向きをもたないベクトル です。
- 記号:

- 成分表示:(0,0)
これは「始点と終点が同じ場合」に得られます。
例題
点A(2,2)、点B(2,2)のとき、
を求めよ。
解答
= (2-2,2-2) = (0,0)
→ これが零ベクトル。
ポイント
- 向きは定まらない
- 計算上は大切な役割をもつ(加法の単位元など)
逆ベクトルとは?
逆ベクトルとは、向きが反対で大きさが等しいベクトル です。
に対する逆ベクトルは ー
と書く- 成分を「符号反転」すれば求められる
例題
=(2,3)の逆ベクトルを求めよ。
解答
ー
= (-2,-3)
ポイント
- 向きが真逆
- 大きさは同じ
単位ベクトルとは?
単位ベクトルとは、大きさが1のベクトル のことです。方向を示すときの基準になります。
例題
=(3,4)と同じ向きの単位ベクトルを求めよ。
解答


大きさは5のベクトルだということがわかりますね。
大きさが1ではないので、このままでは単位ベクトルとは言えません。
この大きさを1にすると単位ベクトルが完成するので、
を大きさ5で割りましょう。
ポイント
- 成分を大きさで割る
- 方向はそのまま、大きさだけ1になる
「ベクトル(3,4)を長さ5で割り、長さ1に縮めた単位ベクトルを示す図」
零ベクトル・逆ベクトル・単位ベクトルは、今後の計算や証明で頻繁に登場するので、定義と計算方法をしっかり押さえておきましょう。
まとめ|ベクトルの意味と学び方のポイント
ベクトルは「向き」と「大きさ」をもつ量
→ スカラーとの違いは「方向を持つかどうか」で決まる。
表し方を理解する
→ 矢印・記号・成分表示の3通りを場面に応じて使い分ける。
等しいベクトルの条件
→ 向きと大きさが同じなら、位置が違っても等しいとみなせる。
特別なベクトルを押さえる
→ 零ベクトル(大きさ0)、逆ベクトル(向き反対)、単位ベクトル(大きさ1)は計算や証明で頻出。
ただ実際の学習では、
- スカラーとベクトルの違いを混同する
- 成分表示で「終点 − 始点」を間違える
- 零ベクトルや単位ベクトルの役割が曖昧なままになる
といった壁に直面する高校生は多いです。そんなときに役立つのが進研ゼミのAI質問機能(お試し無料)。
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