【2次関数】文字定数の場合分けでの,<と≦の使い分け
文字定数の場合分けでの,<と≦の使い分け
文字を含む2次関数の最大値や最小値を求める問題で,場合分けの仕方を決めるとき,1≦a≦3,3<aとしたらよいか,1≦a<3,3≦a としたらいいのか,わかりません。どんな基準で場合分けをしたらいいですか。
進研ゼミからの回答!
こんにちは。
				いただいた質問について,さっそく回答いたします。
【質問の確認】
【問題】
						a は a≧1 の定数とする。関数 y = x2 − 2ax + 4 (1≦x≦3) の最小値をm とするとき,m を a の式で表せ。
上の問題で,場合分けの仕方を決めるとき,1≦a≦3,3<aとしたらいいか,1≦a<3,3≦a としたらいいのか,わかりません。どんな基準で場合分けをしたらいいですか。 
						というご質問ですね。 
【解説】
2次関数の最大値・最小値を求める問題では,「グラフ」と「定義域」の位置関係を調べることが定石です。
しかし,「グラフ」と「定義域」のどちらかに文字が入ったとき,最大値・最小値が1つの式では表せないことがあります。
そのようなときに,次の問題のように,場合分けをしますが,範囲に「ヌケモレ」がなければ,模範解答と≦,<が違っていても,正解と考えてOKです。
【問題】
						a は a≧1 の定数とする。関数 y = x2 − 2ax + 4 (1≦x≦3) の最小値をm とするとき,m を a の式で表せ。
まず,この問題の解答を確認しましょう。
【解答】
					
したがって,このグラフは,下に凸の放物線で,軸の方程式はx=aである。
(ⅰ) 1≦a<3のとき
					グラフは図のようになるので,x=aのとき,最小となる。
					
よって,最小値mは,
					
(ⅱ) 3≦aのとき
					グラフは図のようになるので,x=3のとき,最小となる。
					
よって,最小値は,
					
(ⅰ),(ⅱ) より,
					
 ≪場合分けのポイント≫
					気をつけるポイントは,
					範囲に「ヌケモレ」がないか
					の1点です。これらをクリアできるように,<と≦を使い分けて場合分けの範囲を決めればよいのです。
					基本的には,この条件を満たしていれば,<と≦は,自分の都合のいいように決めることができます。
					上の解答の場合分けを見ると,1≦a<3,3≦aとなり,ヌケモレはありませんね。 
 では,この場合分けのa<3,3≦a の部分を,a≦3,3<a としてもよいかどうか,見ていきましょう。
					まず,(ⅰ) と (ⅱ) の境目であるa=3に注目してみましょう。
					(ⅰ),(ⅱ) の最小値に,a=3を代入してみると, 
(ⅰ) m =−32 +4=−9+4=−5
(ⅱ) m =(−6)・3 +13=−18+13=−5
となり,どちらも同じ値になります。つまり,a=3は (ⅰ),(ⅱ) のどちらの場合分けの範囲に入れてもよいので,
(ⅰ) 1≦a≦3 のとき
(ⅱ) 3<aのとき
と場合分けしてもよいことがわかります。すなわち, 
					1≦a≦3 のとき,m =−a2 +4
					3<a のとき,m =−6a +13 
としても正解,と言えるのです。
【アドバイス】
場合分けは,「ヌケモレ」がなければ,模範解答と≦,<が違っていても,正解と考えて大丈夫です。 
					問題を解いたあと,きちんと範囲にヌケモレがないか,見直しをするようにしましょう。 
それでは,これで回答を終わります。
						これからも,『進研ゼミ高校講座』にしっかりと取り組んでいってくださいね。 
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