【訓読・書き下し】返り点が組み合わさると、混乱してしまいます
返り点が組み合わさると、混乱してしまいます
返り点がたくさんついた複雑な漢文は、どういう順番で読んだらいいのかがわからなくなります。どうしたらいいですか?
進研ゼミからの回答!
こんにちは。
早速、いただいた質問についてお答えしていきましょう。
【質問の確認】
返り点がたくさんついた複雑な漢文は、どういう順番で読んだらいいのかがわからなくなります。
どうしたらいいですか?
【解説】
レ点や一二点の読み方はわかっていても点や点が組み合わさると一気に難しくなった気がしますね。
でも、読み方のルールが変わるわけではないので、基本をしっかり押さえて読んでいけば、どんなに長くて複雑な漢文でも大丈夫です。ここで一緒に練習しましょう。
訓読の際のルールは、
1.上から下に順に読んでいく
2.返り点がついた漢字はいったん飛ばして次に進み、「戻れ」の合図(レ点・一点・上点)があったら戻って読む
が基本です。
また、一二点と上下点が併用されているときは、まず一二(三)点を読み、次に上(中)下点を読むという決まりになっているので、まずはこの前提を押さえて、以下の返り点の働きを確認しましょう。
では次に、点や点が入った形の漢文を読んでみましょう。
「後るれば則ち」まで読んだら、二点がついている「為」は飛ばして「人の」を先に読みます。
その下の「所」には点がついているので、まずレ点の指示に従って「制する」を読んでから「所と」に返ります。
それから、一二点の指示に従って、二点がついた「為る」に返ります。
点の読み方がわかったでしょうか。「一点→二点」と読むとき、一点の下にレ点が入ったので、レ点のすぐ下の一字を読んでから「一点→二点」と返って読む、と考えればいいのです。
点も同じです。「上点→下点」と読むところを、すぐ下の一字を読んでから「上点→下点」と読めばいいのです。
返り点がついている「勿」「以」は飛ばして、「善の」から読み始めます。「小なるを」には一点がついているので、二点がついた「以て」に返ります。
これで、一二点で返る「以善小」の部分は読みましたね。「而」は置き字なので読まずに「不」に進みますが、点がついているので、先にレ点の指示に従って「為さ」→「不(ざ)ること」と読み、それから上点の指示に従って、下点のついた「勿れ」に返って終わりです。
途中に点や点があっても、「レ点のすぐ下の漢字を先に読む」というルールに従ったうえで、一二点・上下点として読めばいいということがわかったでしょうか。なお、点や点はないので注意しましょう。
【アドバイス】
「レ点のすぐ下の漢字を先に読む」というルールを頭に入れて、実際の文章を読みながら覚えていくのが一番効果的な方法です。予習で迷ったときにはルールを確認し直したり、授業で自分が思っていた順番と違う箇所があったら、読み順を書き込んでおきましょう。
これからも、『進研ゼミ高校講座』を使って、国語の力を伸ばしていってくださいね。
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