【条約改正と日清戦争】日清戦争の原因がわかりません
日清戦争の原因がわかりません
日清戦争の原因がよくわかりません。朝鮮での事件が原因なのに,どうして日本と清が戦争になったんですか?
進研ゼミからの回答!
こんにちは。
いただいた質問にさっそく答えていきますね。
【質問の確認】
日清戦争の原因がよくわかりません。朝鮮での事件が原因なのに,どうして日本と清が戦争になったんですか?
【解説】
日清戦争の原因は、日清両国が朝鮮への影響力を拡大しようとねらっていたことです。
当時は中国が朝鮮の宗主国として強い力を持っていましたが、日本は朝鮮への影響力を強めて大陸進出の足掛かりにしたいと考えていました。ここに朝鮮国内の親日派と親中国派の思惑が絡み、さらにイギリスなど国際情勢の動向もきっかけとなり、1894年8月宣戦を布告し、日清戦争がはじまりました。
●戦争の背景
①日本は国の安全を守るためには、国境だけでなくすぐ隣国である朝鮮の安全確保が必要と考えていました。
②中国は、ロシアが東アジア進出をもくろみ、シベリア鉄道の建設を始めたことに脅威を感じていたため朝鮮への影響力を持ちたいと考えていましたが、日本も同様に考えていました。つまり日本もロシアの脅威に対して、清と対立しても朝鮮半島に影響力を持ちたいと考えていました。
③日本は国内的には、政党勢力が強まり政府批判が高まっていて政府は窮地に陥っていました。またこの時期、軍事力も整ってきていたのです。対外的には、イギリスと日英通商航海条約が結ばれ、イギリスが清と結ぶという懸念がなくなっていました。
●開戦への経過
甲申事変後、清の朝鮮への影響力が強まってきており、日本には危機感があり日清関係も悪化していました。朝鮮では日本への反発が強まり、排日と減税を求め甲午農民戦争がおきましたが、清国に支援を求めたことなどが引き金となって日本も出兵することになりました。直接に開戦につながったのがこの事件です。
まとめると、朝鮮を国際社会に引き出したのは日本ですが、その国に清が干渉してくることに危機感を持っていた日本が、朝鮮と清国の従属関係を断ち切るため、開戦に踏み切ったということができます。さきにのべたように、それだけではなく「朝鮮」以外の、日本と清国の国内国外のいろいろの思惑がからんでいたということも確認しておきたいですね。
【アドバイス】
一つの事件などにはそうなった原因があります。国と国の戦争ならば、それぞれの国の国内状況、それを取り巻く国際環境などがおもに原因としてかかわってきます。とくに明治のこの時期は、背景となった国際関係をおさえるようにすれば、広い理解を得られます。また小さな事件が起きながらやがて大きな戦争につながっていくので、年表式に小さな事件を年代順に整理し、経過を確認しておくことでも理解を深められますね。
それではこれで回答を終わります。これからも『進研ゼミ高校講座』にしっかり取り組みましょう。
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