【青年期/ギリシャ思想】「知徳合一」における知と徳の違いについて
「知徳合一」における知と徳の違いについて
ソクラテスが唱えた「知徳合一」における「知」と「徳」はどう違うんですか?
進研ゼミからの回答!
こんにちは。
それではさっそく、質問について回答させていただきます。
【質問の確認】
ソクラテスがとなえた「知徳合一」における「知」と「徳」はどう違うんですか?
【解説】
質問の知徳合一における「知」(知識)とは善悪を正しく判断できること、「徳」とは人間の魂の善さのことです。
ソクラテスは、「人間の徳(アレテー)」とは魂をできるだけよいものにすること(魂への配慮)であると考えました。また、自分の魂をすぐれたものにするためには、何が善であり何が悪であるか、何が美しくて何が醜いかについての正しい「知」(知識)が必要であるとし、この「知」を他の「知」より重視しました。
そして、ソクラテスは魂をすぐれたものにするためには、善悪についての「知」(知識)が必要であるが、逆に善悪についての「知」を実現すれば魂はすぐれたものになり、徳は実現されると考えました。このことを「知徳合一」とか「徳は知である」といいます。つまり、善悪を判断できる「知」を持つことが、「徳」を持つことだと考えたのです。
ソクラテスの知徳合一の立場で考えると、「悪い」ということを知りながら悪いことをする人はおらず、悪いことをするのは本当の意味でそれを「悪いこと」だと知らないからだということになります。
またソクラテスは、善悪を判断する「知」を持つということは善く生きられること、すなわち、正しく徳を知っていれば正しく行動することができる(知行合一)とし、こうした徳を持つことは人間としての幸福につながる(福徳一致)と考えました。
【アドバイス】
ソクラテスの思想について『チャレンジ』などを使って再確認しておきましょう。その時、解答を書き込むだけでなく、問題文をていねいに読んで、内容も確認していくと力がよりついていきます。
これからも『チャレンジ』をしっかり活用して学習を進めていってくださいね。
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