【微分法(III)】置き換えによる微分
置き換えによる微分
「 y=(2x+1)^3+(2x+1)を微分せよ。」という問題の解答を見ると,u =2x+1 とおいているのですが,どうしてこのような解き方をするのですか? このやり方がわかりません。教えてください。
進研ゼミからの回答!
こんにちは。
いただいた質問について,さっそく回答いたします。
【質問の確認】
【問題】次の関数を微分せよ
y=(2x+1)3+(2x+1)
上の問題の解答を見ると,u=2x+1とおいているのですが,どうしてこのような解き方をするのですか?
というご質問ですね。
【解説】
この問題では,y=(2x + 1)3+(2x+1) の右辺を展開してから微分する,という解き方もできます。
ところが,例えば,(2x + 1)5のように次数が高い式になると,展開が煩雑になり,ミスの原因にもなりかねません。そこで,より効率よく計算ができるように工夫しているのです。では,その解き方について解説していきましょう。
与えられた関数をよく見ると.「2x+1」という共通なカタマリが見えますね。
そこで,これをuとおくと,この関数は,y = u3 + u という u の3次関数と見ることができます。
このように,より単純な式にしてから微分する方が計算しやすいですね。
さて,ここで,u = g(x) = 2x + 1,f(u) = u3 + u とおくと,与えられた関数y = (2x + 1)3 + (2x+1) は,y=f(g(x)) となり,y = f(u) と u = g(x) の合成関数と見ることができます。そして,合成関数の導関数には,次の公式が成り立ちます。
合成関数の導関数
微分可能な2つの関数y = f(u),u = g(x) の合成関数y = f(g(x)) について,
これを利用して解くと,次のようになります。
まず,
では,微分の仕方をまとめておきましょう。
Step1 u=2x+1とおく。
Step2 y=u3+u をuで微分 ・・・・・・★
Step3 u=2x+1をxで微分したものを★の式に掛ける
≪合成関数の導関数の公式≫
合成関数は,(外側の関数を微分)×(中の小さい関数を微分)×(さらにその中の関数を微分)×……というように,外から内へドンドン微分して掛ける,と考えます。
①を例にとってみると,次のようなイメージです。
このように考えると,2x+1をu とおいてステップを3回踏まなくても,一気に微分できてしまいます。
ポイントは,
・カタマリをつくり,外側の関数と中の小さな関数をとらえる
・外側から微分する
です。
【アドバイス】
次数が高い式など,y = f(g(x)) の形をしているときは,「合成関数の導関数」の公式を確実に利用できるようにしておきましょう。まずは,u = g(x) とおいて,3ステップで確実に解けるように練習しておきましょう。
慣れてくれば,
・カタマリをつくり,外側の関数と中の小さな関数をとらえる
・外側から微分する
というポイントを押さえ一気に微分してもよいでしょう。
それでは,これで回答を終わります。
これからも,『進研ゼミ高校講座』にしっかりと取り組んでいってくださいね。
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