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英語・筆記

出題形式に大きな変更なし。素材文の総語数はやや減少。難易は昨年並
表を含む説明文や物語、論説など、様々な素材を読解する力が求められた。全体の概要を問う出題は変わらず、学習指導要領で重視される英文の内容を素早く大づかみする力とともに、細部を正確に読む力も求められた。

全体概況
大問数・
解答数
大問数6、解答数54個は、昨年から変更なし。
出題形式 形式や配点、出題傾向に大きな変更はなかった。第4問Aのグラフが表となり、第5問では主人公の体験に関する一人称の物語が出題された。英文量は少なくないため、素材や目的に応じた読み方をし、素早く概要をとらえる力が求められた。
出題分野 例年通り、発音・アクセントから、読解、視覚情報を含む英文理解まで、幅広い領域が問われており、多岐にわたるジャンル・形式の出題であった。
問題量 昨年並。
難易 昨年並。
大問構成
大問 出題分野・大問名 配点 難易 備考(使用素材・テーマなど)
第1問 「発音・アクセント」 14点 ★★★★★標準  
第2問 「文法・語彙語法・語句整序・応答文完成」 47点 ★★★★★標準  
第3問 「不要文指摘・発言要約」 33点 ★★★★やや難 B「恩師への贈り物についての話し合い」
第4問 「データ読み取り(図表・案内)」 40点 ★★★★★標準 A「絵画作品に描かれる食品の国別・種類別の頻度」
B「4つの城の特徴と入場案内」
第5問 「長文読解(物語)」 30点 ★★★★★やや易 「野菜畑を管理する体験から学んだこと」
第6問 「長文読解(論説)」 36点 ★★★★★標準 「人間の活動と交通路・情報網の発達」
英語・筆記の攻略ポイント
<全体総評>
文脈を踏まえて論理的な英文を構築できるか、英文全体の論理展開を把握できるか、様々な素材から必要な情報を抽出できるかなど、実践的な英語力を測る出題構成・問題内容であった。第3問Bや第6問において、意見の要約や共通点の理解、英文の主旨の特定など概要把握の力が必要であったとともに、第4問ABのように、多様な素材から情報を素早く把握する力も求められた。
<第1問:発音・アクセント>
第1問では、頻出単語の発音・アクセントに絞って演習を行うのみではなく、通常の授業や英語学習の中で、教科書や問題集の音読などを通して常に正確な発音やアクセントで英文を読む習慣を身につけ、話す技能につながる音声知識を習得したい。日本語と英語で発音の仕方やアクセントの位置が異なる語については、今後も注意が必要である。
<第2問:文法・語彙語法・語句整序・応答文完成>
第2問では、例年日常的な場面で使用する語彙・語法が出題される傾向がある。教科書の学習にとどまらず、広く英語に触れる機会を持ち、多様な語彙・イディオムの習得を意識したい。語彙学習の際には、英和辞典で複数の意味や例文を確認したり、英英辞典を使って、その語の持つイメージを思い浮かべたりしながら習得する習慣をつけたい。また、日常的な場面でよく使われるイディオムや語と語のつながりについても、文法の基本事項とともに低学年から定着させていきたい。さらに、英文を書く際にも、書いた後に自分で語彙的・文法的な間違いがないかなどを確認することは本問を解く力の養成だけでなく、書く技能の向上にもつながるであろう。
<第3問:不要文指摘・発言要約>
第3問Aでは、英文の主旨をつかみ、前後の文との関連性に注意しながら、不要な一文を選ぶ問題が出題された。英文を書く際にも、主題に沿った論理的な構成を意識することが、本問を解く力の養成になるであろう。Bでは、発話者ごとの発言の要旨を把握しながら読むことが求められており、日ごろから内容をおおまかに理解しながら読んだり、前後の文脈から発話者の考えや立場を理解したうえで要旨をつかんだりすることを心掛けたい。さらに、複数の話者に共通する内容が問われたことから、討論の場において相互の意見の共通点や相違点を把握する力の養成も重要である。
<第4問:データ読み取り(図表・案内)>
第4問Aのデータ読み取り問題では、英文と表を組み合わせて判断する問題が出題された。英文から数値に関する情報を読み取ったり、図表の内容を英文と照らし合わせて把握したりする力を身につけておきたい。Bでは、該当箇所を見つけて必要な情報を精査し正答を導く、スキャニング力の養成につながる演習が有用となる。
<第5問:長文読解(物語)>
第5問の長文読解(物語)では、話の展開の正確な理解に加え、書き手の意図や登場人物の言動の理由といった、直接的には書かれていない内容を推測させる読み方に慣れておきたい。日頃の学習では物語やエッセイ、スピーチ、テキストメッセージなど様々なジャンル・形式の英文に触れ、話者の立場や意見、登場人物の関係性、心情に関する読み取りや素材から得られる教訓の把握など、ストーリー性のある素材ならではの読解ができるようになっておきたい。
<第6問:長文読解(論説)>
第6問の長文読解(論説)では、パラグラフの要旨として適切なものを選ばせる問題に対応できるよう、英文を読む際には、パラグラフごとに要旨をまとめながら読み進めるとよいであろう。英文全体における各パラグラフの位置づけは、常に意識したい。

日ごろから様々なジャンル・テーマ・形式の英文に触れ、必要に応じて時間を計って英文を読み、その内容をまとめる演習などを積んでおきたい。また、今年も本文中の表現が設問の選択肢では別の表現に言い換えられている問題がみられた。正確な読解に加えて、英文の言い換えに対応する力も身につけておきたい。

現行のセンター試験の形式においても、第3問のように、マークシートという制約の中で話す技能や書く技能につながることを意識した出題が見られる。今後の入試改革の動きを見すえて、論理的に聞く練習、読む練習、話す練習、書く練習を重ね、幅広い英語力や深い思考力の養成を一層意識したい。

Benesseお茶の水ゼミナール講師陣による
センター試験「差がつく問題」攻略ポイント解説

首都圏で展開しているベネッセグループ大学受験予備校「Benesseお茶の水ゼミナール」講師陣が2019年度のセンター試験を分析し、「高得点を取るために差がつく問題」をピックアップ。
難関国公立大・難関私大に強い講師陣による約15分の講義で、試験本番で高得点を取るためのポイントがつかめます。

英語筆記

リスニング

出題形式に大きな変更はなく、音声+視覚情報で答える問題が出題。昨年より易化
音声情報とイラストや図表を含む視覚情報とを組み合わせて答える問題や、3人の話者による話し合いの場面での出題がなされた。聞き取った内容を、設問に応じて処理する力が、昨年に引き続き求められた。また、細かい情報の聞き取り、直接述べられていない情報の類推なども求められた。ただし全体的には取り組みやすく、難しかった昨年より易化。

全体概況
大問数・
解答数
大問数4、解答数25個は、昨年から変更なし。
出題形式 出題形式は昨年通りで、出題傾向に大きな変化は見られなかった。
出題分野 さまざまな日常の場面を問うている点で、昨年から変更なし。
問題量 昨年並。
難易 昨年より易化。
大問構成
大問 出題分野・大問名 配点 難易 備考(使用素材・テーマなど)
第1問 「短い対話・Q&A選択」 12点 ★★★★★やや易  
第2問 「短い対話・応答文選択」 14点 ★★★★★やや易  
第3問 「対話/案内図と対話文」 12点 ★★★★やや難 A問14「待ち合わせに遅れた理由」、問15「スカートを縫うのを手伝う人を紹介」、問16「休憩時の飲み物」
B「博物館の入場券売り場での対話」
第4問 「モノローグ/話し合い」 12点 ★★★★★やや易 A「2人の兄と自転車に乗る練習をする少女の体験談」
B「動物保護センターでペットの犬を探す」
英語・リスニングの攻略ポイント
<全体総評>
さまざまな日常の対話の場面、複数人による話し合いの場面など、読まれる素材の種類や場面は幅広く出題される。日頃の学習では、まずはどのような状況・場面なのかを音声の中にヒントを見つけて特定することが重要である。それには、設問に応じて聞き取り処理ができるよう、多様な場面の問題に取り組んでおくことが必要である。

音声情報だけでなく、印刷された視覚情報を組み合わせなければ解けない、技能融合を意識した問題も近年出題されている。実戦的なセンター試験対策を行う時期には、解答に必要な語句を正確に聞き取るだけでなく、印刷されている質問文や選択肢に放送の前に素早く目を通し、それらの意味を把握したうえで、どんな状況や場面の英文かを予測しながら聞き取るという練習にも力を入れておきたい。また、数値を含む複数の情報が読まれたり、正答に関わる箇所の英文が選択肢で言い換えられるという問題の特徴を踏まえたうえで、メモの取り方なども含めた解答の仕方を練習する必要がある。

部分的な聞き取りで正答を導くのではなく、複数の情報をもとに判断したり、すべての内容から総合的に判断したりする、いわば聴解力と同時に思考力を要する出題傾向になっている。今後の対策としては、過去問や模擬試験の問題を利用して類題演習を行うことはもちろん、常に「実践的な場でのリスニング」を想定し、英語を聞いて、その内容に関する英語の質問に答える練習や、英文の書き取り(ディクテーション)、音読などを、日々の学習の中にできるだけ多く取り込んでおくことが必要であろう。さらに、聞き取った内容について要旨や結論をまとめるといった演習を行うことで、概要を素早く把握する力の強化につながるであろう。

Benesseお茶の水ゼミナール講師陣による
センター試験「差がつく問題」攻略ポイント解説

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