【平面上の曲線・複素数平面】媒介変数表示について
媒介変数表示について
座標平面上における直線や曲線は,xとyの関係式で表すのに,「媒介変数表示」はxとyのほかに,別の文字が入っていて,どう扱えばよいのかわかりません。
進研ゼミからの回答!
こんにちは。
いただいた質問について,さっそく回答いたします。
【質問の確認】
座標平面上における直線や曲線は,xとyの関係式で表すのに,「媒介変数表示」ではxとyのほかに,別の文字が入っていて,どう扱えばよいのかわかりません。
というご質問ですね。
【解説】
≪「媒介変数表示」の意味≫
「媒介変数表示」というと,なんだか難しそうな言葉ですが,「媒介」とは,双方の間に立ってとりもつことですから,要は x と y は変数t を媒介にしてつながっている,ということです。
例えば,時間とともに動く点P(x,y) の座標が時刻 tによって,
x = t + 1, y = t2 − 2
と表されているとします。このとき,時刻tの値が1つ決まれば,点Pの座標が1つ決まります。この t が媒介変数であり,x と y は媒介変数表示されている,というわけです。
もちろん,この例のように時刻でなくても,2つの変数(x と y)をとりもっていれば媒介変数ですから,媒介変数は t とは限らず,θや u などいろいろな変数の場合があります。
≪媒介変数表示された関数の扱い方≫
具体例で説明しましょう。
普通,座標平面上における直線や曲線は,x と y の関係式で表しましたね。そこで,x と y の関係が知りたいならば,t には消えてもらえばよいのです。
xもyもtの式で表されています。つまり,xとyの間をとりもつ媒介変数tを用いた表し方ということですね。
これがどのような図形を表すかを調べるためには,tを消去して,xとyの関係式を求めればいいのです。
①より,t=x−1
これを②に代入して,y=(x−1)2−2
この式は,おなじみの2次関数の式ですね。
よって,この図形は点( 1,−2)を頂点とする放物線になることがわかります。
【例1】と同様に,xもyもθの式で表されていますので,θを消去して,xとyの関係式を求めましょう。ただし,θ=〜の形にできないので,三角関数の相互関係sin2θ+cos2θ=1を利用します。
まず,③より, sinθ=x−2
そして,④より, cosθ=y+1
これらを,sin2θ+cos2θ=1に代入して,
(x−2)2+(y+1)2=1
よって,この図形は中心( 2,−1 ) ,半径1の円になることがわかります。
◎まとめ
媒介変数表示とは,直線や曲線の表し方の1つですから,xとyの関係や,どのような図形かを調べるためには, 媒介変数を消去して,xとyの関係式にすればよいのです。
ただし,もし媒介変数の値の範囲が限られている場合は,x,yの値の範囲にも気をつけなければなりません。
例えば,【例1】で t≧0という条件があったなら,
t=x−1≧0より,x≧1
となり,この図形は点( 1,−2 ) を頂点とする放物線のx≧1の部分ということになるわけです。
【アドバイス】
媒介変数表示で,xとyの関係を求めたいときは,“媒介変数を消去する”ことを覚えておいてください。消去の仕方は【例1】のように簡単なものや【例2】のようにコツが必要なものなどいろいろなので,いろいろな問題を解いて,媒介変数を消去するコツも身につけておきましょう。
それでは,これで回答を終わります。
これからも,『進研ゼミ高校講座』にしっかりと取り組んでいってくださいね。
数学のQ&Aランキング
- 【数列】Σの和の求め方
- 【関数と極限】∞+∞=∞とは
- 【三角関数】0<θ<π/4 の角に対する三角関数での表し方
- 【指数・対数関数】1/√aを(1/a)^r の形になおす方法
- 【図形と計量】180°-θの三角比
全体のQ&Aランキング
- 【動名詞】①<make + O + C >構文の訳し方②間接疑問文における疑問詞の訳し方
- 【数列】Σの和の求め方
- 【関数と極限】∞+∞=∞とは
- 【三角関数】0<θ<π/4 の角に対する三角関数での表し方
- 【指数・対数関数】1/√aを(1/a)^r の形になおす方法
「平面上の曲線・複素数平面」Q&A一覧
他の教科のQ&Aを見る
【その他にも苦手なところはありませんか?】
わからないところをウヤムヤにせず、その場で徹底的につぶすことが苦手を作らないコツ。
「進研ゼミ」には、苦手をつくらない工夫があります。