【再読文字】種類が多くて、訳し方が覚えられません
種類が多くて、訳し方が覚えられません
再読文字の基本はわかりましたが、句形や読み方の種類が多くて、すべての再読文字の訳し方まで覚えられません。
覚えるコツはありますか。
進研ゼミからの回答!
こんにちは。
早速、いただいた質問についてお答えしていきましょう。
【質問の確認】
再読文字の基本はわかりましたが、句形や読み方の種類が多くて、すべての再読文字の訳し方まで覚えられません。覚えるコツはありますか。
【解説】
再読文字とは、漢字一字でありながら、訓読する際には二度読む特殊な文字です。
一度目は返り点を無視した語順で副詞として読み、二度目は返り点にしたがって助動詞・動詞として読むのが原則でしたね。
さて、漢文を読解するのに知っておくとよい再読文字には、
「未」「将」「且」「当」「応」「宜」「須」「猶」「由」「盍」の10種類があります。
これらすべての訳し方を一度に覚えるのは大変ですが、次の(1)と(2)のタイプに分けると効率よく覚えられるでしょう。
(1)現代語の熟語と結びつけて訳し方を暗記するとよいタイプ
—「未」「当」「宜」「須」の4種類—
「未」 いまダ〜(セ)ず
【訳】まだ〜(し)ない
現代語の「未定」「未熟」などの熟語の意味と結びつけると覚えやすいですよ。例えば「未定」という熟語から、「まだ定まっていない」という意味が頭に浮かびますね。この「まだ〜ない」という意味は、再読文字「未」の訳し方に通じます。
「当」 まさニ〜(ス)ベシ
【訳】当然〜(す)べきである/〜(する)はずである/きっと〜(する)だろう
現代語の「当然」という熟語と結びつけると、「当然〜(す)べきである」という訳は覚えられますし、ほかの訳も連想しやすいですね。
「宜」 よろシク〜(ス)ベシ
【訳】〜(する)のがよい
現代語の「適宜」(状況によく合っていること)という熟語と結びつけると覚えやすいでしょう。
「須」 すべかラク〜(ス)ベシ
【訳】〜(する)必要がある/〜(し)なくてはならない
ちょっと見慣れない字かもしれませんが、これも現代語の「必須」という熟語と結びつければ、丸暗記するよりもずっと記憶しやすくなりますよね。
(2)同じ働きをするものとセットで暗記するとよいタイプ
—「将」「且」「応」「猶」「由」「盍」の6種類—
この6種類は、同じ働きをするもの同士でセットにして覚えましょう。
1.「将=且」 まさニ〜(セ)ントす
【訳】〔今にも〕〜(し)ようとする[意志]
〜(する)だろう[推量]
2. 「応=当」 まさニ〜(ス)ベシ
【訳】当然〜(す)べきである。〜(する)はずである[義務・当然]
きっと〜(する)だろう[推量]
3. 「猶=由」 なホ〜ノ〈ガ〉ごとシ
【訳】ちょうど〜(の)ようである〈=〜と同じだ〉[比況]
4.「盍」=何不※ なんゾ〜(セ)ざル
【訳】どうして〜(し)ないのか[疑問]
どうして〜(し)ないのか、〜(するの)がよい[勧告・勧誘]
※「何不〈なんゾ〜(セ)ざル〉」は再読文字ではありませんが、「盍」とセットで覚えておくとよいでしょう。
このように、熟語に結びつけたり、セットで覚えたりすれば、10種類の再読文字の訳し方をうまく暗記することができます。
【アドバイス】
再読文字は確かに種類が多く、覚えるのも大変そうに見えますが、上のように「熟語と結びつけて暗記するタイプ」と「同じ働きをするものとセットで暗記するタイプ」の2つの軸で覚えていくと、効率的に暗記することができます。
また、テストで再読文字の訳し方を問われたときに、2つの軸をたよりに思い出していけば、素早く正答にたどり着けるでしょう。ドリルなどを通して再読文字の種類やそれぞれの訳し方についての知識を確認してみましょう!
これからも、『進研ゼミ高校講座』を使って、国語の力を伸ばしていってくださいね。
【その他にも苦手なところはありませんか?】
わからないところをウヤムヤにせず、その場で徹底的につぶすことが苦手を作らないコツ。
「進研ゼミ」には、苦手をつくらない工夫があります。