2025共通テスト（1/18・19実施）の出題分析と傾向 - 歴史総合、世界史探究の詳細解析

入会

歴史総合、世界史探究

2025共通テスト（1/18・19実施）分析速報

探究活動の場面において資料読解や情報分析を通じ、深い追究を促す問題が出されました。全体的に難易度は昨年の世界史Bと比べてやや易しくなっています。

1 全体概況

大問数・解答数

大問数は5で、解答数は32個でした。第1問は『歴史総合』第2問との共通問題でした。

出題形式

組合せ問題が中心の出題で、文献資料やグラフなど、さまざまな資料が使用されました。

出題分野

第1問は歴史総合からの出題で、世界史探究では地域は各地域からバランスよく出題されました。時代は中世史と近世史が増加し、古代史が減少しました。分野は社会経済史が増加し、政治史が減少しました。

問題量

昨年の世界史B並みでした。

難易

昨年の世界史Bよりやや易しくなりました。

2 大問別分析

第1問「装いの歴史」（25点・標準）

『歴史総合』第2問と共通問題で、Aでは政治家などの装い、Bでは女性の装いを題材とした出題がなされました。問2では、資料の時期を推定するプロセスが問われ、該当する時期の歴史的事実を示された方法に沿って判断する力が求められました。問7では、イランの小学校の様子を描いた挿絵が付されたパネルから情報を読み取り、その情報を抽象化しながら時代の推移と因果関係を判断することが求められました。

第2問「世界史上の都市の歴史」（20点・やや易）

Aでは14世紀半ばのカイロに関する年代記、Bではペテルブルクに関する準備メモ、Cでは19世紀初頭と20世紀初頭におけるバンコクの地図を題材に、生徒が探究活動を行う構成でした。問6では、地図やリード文から情報を読み取り、知識を加味して考察することが求められました。問7では、大問全体を踏まえ、外国との関わりが都市に与えた影響という観点で、抽象度を上げて理解することが求められました。

第3問「資料活用のための文脈や背景理解」（21点・標準）

Aではアクティウムの海戦に関する記録、Bでは唐代における五経の注釈が編纂された際の経緯に関する資料、Cではインドにおける考古学調査の必要性を述べた文章を題材に、テーマに沿って問題が展開されました。問1では、資料の読解をもとに、歴史事象がどのように評価されたかを考察する力が問われました。問4では「註」と「疏」、問7ではスタインの活動した時期について、資料や文章から判断して解答を導く必要がありました。

第4問「大陸を越えた諸地域の結び付き」（16点・やや易）

Aではイギリスの地域別綿花輸入量のグラフ、Bではヴァイキングの活動範囲を示した図をもとに、生徒が探究活動を行う構成でした。問2では、グラフから読み取った情報と南北戦争の時期についての知識を組み合わせて判断することが求められました。問4では、アメリカ文明についての知識と、家畜を飼っていた形跡がないという会話文中の説明をヒントに解答する必要がありました。

第5問「政治権力が食料事情や食生活に与えた影響」（18点・標準）

朝鮮半島で出土した木簡と当時の穀物貸付制度に関する資料、タラ漁の歴史に関するパネル、北米の先住民の伝統料理フライブレッドに関するパネル、第一次世界大戦中のドイツにおける食料価格と当時のドイツ社会に関する資料をもとに、テーマに沿って出題されました。問2では、資料から読み取った情報と知識を組み合わせて判断することが求められました。問5では、大問全体の内容から第5問全体の主題を類推し、その主題をさらに追究するための事例を判断する必要がありました。