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国語

2025共通テスト(1/18・19実施)分析速報

第1・2問は単一テキスト形式となり、新設の第3問が言語活動に特化しました。全体的に難易度は昨年よりやや易しくなっています。

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全体概況

大問数・解答数

大問数は昨年の4から5に増加し、設問数は25で昨年から2問増加しました。解答数は38個で昨年から変更はありませんでした。

出題形式

第1問は観光に関する単一の論理的文章からの出題、第2問は2005年発表の単一の文学的文章からの出題でした。第3問は、わかりやすい言葉づかいについて自分の考えを書く課題を受けてまとめられた文章と資料からの出題となっていました。第4問は、もののけとそれに苦しめられている女性が登場する2本の古文からの出題、第5問は学問に関する『論語』の一節とその注釈書、および読書に関する日本漢文からの出題でした。

出題分野

近代以降の文章3題、古文1題、漢文1題という構成であり、第3問(近代以降の文章)が新設されました。

問題量

第1問は3800字、第2問は4300字、第3問は【文章】660字、【資料I】がグラフ、【資料II】が400字、【資料III】が図とメモ。第4問は【文章I】620字、【文章II】420字。第5問は【文章I】107字(28字、79字)、【文章II】92字でした。

難易

昨年よりやや易しくなりました。

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大問別分析

第1問「近代以降の文章」
高岡文章「観光は『見る』ことである/ない――『観光のまなざし』をめぐって」 (45点・標準)

「観光」をテーマとする社会・文化論で、単一テキストからのオーソドックスな出題でした。本文の分量はほぼ昨年並で、内容はやや硬質であるため、評論を読み慣れていないと手ごわく感じるかもしれません。設問は、問1が漢字、問2~6が傍線部に関する読解設問という構成で、問6では本文全体を踏まえた解釈が求められました。過去の評論問題を踏襲しつつ、文章展開・構成や表現の設問、複数テキスト等の設問を外し、選択肢を4択とすることで、若干のスリム化が図られました。

第2問「近代以降の文章」
蜂飼耳「繭の遊戯」 (45点・標準)

現代詩人の書いた小説からの出題で、本文の分量は昨年より増加しましたが、複数テキストの形での設問はなく、比較的オーソドックスな出題でした。昨年出題された語義を問う設問はなく、問5が表現に関する設問で、他の設問は登場人物の様子や心情を状況と関連付けて読み取らせるものでした。

第3問「近代以降の文章」
【資料I】国立国語研究所『外来語に関する意識調査(全国調査)』/【資料II】国立国語研究所「外来語」委員会編『分かりやすく伝える外来語言い換え手引き』/【資料III】NHK放送文化研究所『放送研究と調査』2022年12月号 (20点・標準)

与えられた課題に対して、いくつかの資料をもとに書かれた【文章】についての問題であり、事前に提示された試作問題に近いものです。公表されていた試作問題より分量は少なかったですが、設問要求の素早い把握のもと、どの資料をどのように用いるかの判断が求められました。すべての設問が、【文章】を適切な形に加筆・修正するといった表現活動に関わっている点で、新課程を意識した出題となっています。

第4問「古文」
【文章I】『在明の別』/【文章II】『源氏物語』若菜下の巻 (45点・やや易)

本文はいずれも平安時代の物語文で、分量は昨年とほぼ変わりませんでした。選択肢は問2の敬語の設問のみ5択でした。問1・問2の知識問題は基本的なものが問われました。問3では【文章I】と【文章II】を比較する生徒の言語活動の場面が設定され、登場人物の心理や言動を問う形で本文の解釈が求められました。

第5問「漢文」
【文章I】『論語』、皆川淇園『論語繹解』/【文章II】田中履堂『学資談』 (45点・やや易)

『論語』と江戸時代の漢学者による注釈(【文章Ⅰ】)、およびその弟子による読書論(【文章Ⅱ】)の組合せです。問2では『論語』の記述を注釈に従って解釈すること、問6では【文章I】と【文章II】の考え方を比較することが求められ、昨年同様、複数テキストの関係性を強く意識した出題となっています。

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