国語

討議や推論など、新課程を意識した設問が出題された。昨年より易化。

全体概況

大問数・ 解答数	大問数4、配点各50は昨年から変更なし。解答数は漢文で1個減少した。
出題形式	評論で、今回の問題文を読んだ5人の生徒の「誠実さ」についての対話のうちから本文の趣旨に最も近い内容を選ばせる設問が出題された。小説は、本文全体を踏まえて答える設問など、ここ最近の傾向通りの出題であった。古文では、神仏の真意を推測する設問が出題された。漢文は、対比的表現を問う設問が出題された。
出題分野	近代以降の文章2題（評論・小説）、古文1題、漢文1題という構成に変更なし。
問題量	問題文の分量は、評論で減少（4200→3500）。 古文で大幅増加（1200→1700）。 小説、漢文は昨年並。
難易	昨年より易化。

大問

大問	出題分野・大問名	配点	難易	備考（使用素材・テーマなど）
第1問	「現代文・評論」	50点	★★★★★やや易	土井隆義『キャラ化する/される子どもたち』
第2問	「現代文・小説」	50点	★★★★★やや易	佐多稲子「三等車」
第3問	「古文」	50点	★★★★★易	『今昔物語集』
第4問	「漢文」	50点	★★★★★標準	盧文■（しょう）『抱経堂文集』（※「しょう」は「弓」に「召」）

国語の攻略ポイント

今年のセンター試験では、例年に比べて読みやすい問題文が出題された。難解な文章を読み、選択肢の細かな表現から正誤を判別するというよりも、基本的な読解力が身についていれば十分取り組める文章を題材として、問題文から読みとった内容を整理し、思考・判断する力がより重視されたと言える。

問題文の分量は昨年からやや減。3行選択肢は全体で6問と、昨年より1問減ったものの、問題全体として読む分量は決して少なくない。また、問題文の構成や展開を俯瞰的に把握しつつ、同時に個々の表現を確認して選択肢と丁寧に照合することが必要とされる設問もあることから、限られた時間の中で速く読む力、ならびに手際よく情報を整理し、判断する力を鍛えることが肝要である。どの大問から解いていくのか、どれくらいの時間をかけて解くのか、自分なりの計画をたてておき、演習を行うのがよいであろう。ただし、年度によって、各大問の文字数や難易は異なるので、その場で計画を組み替える柔軟さも必要である。模擬試験や演習などの機会を活用して試行し、自分なりの解答方法を確立させておきたい。

評論の問6（ii）では、文章の構成・展開についての設問が出題された。文章内容を広い範囲で読みとり、段落構成などを手掛かりに、文章全体の構造を把握する力を身につけておく必要がある。

基礎事項は必ず頭に入れておきたい。評論の漢字の設問や、小説の語句の意味に関する設問などにおいて、日常生活ではあまり使用しない言葉が出題されることもある。たとえ普段の生活ではあまり使わない漢字・語句であっても、教科書や問題演習、模擬試験などにおける文章で出会ったものについては、辞書などで意味を確認し、用法を含め頭に入れておきたい。古文は、古文単語、文法（敬語を含む）、古文常識や文学史などを、漢文は、重要語、再読文字や句法などを繰り返し復習することで、基礎事項を正確に覚えておきたい。

近年のセンター試験では頻出となっている表現の特徴に関する出題にも、しっかりとした対策をとっておきたい。普段の学習のなかで、文章に接する際には、文章内容を理解することに加え、「引用や具体例がどのような働きを担っているのかを確認する」「文章中の表現技法に注意しながら丁寧に読み進める」ということを心がけたい。

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