UPDATE 2019.04.16

「人からしか学べないことがある—」
難民支援を行う社会起業家が
高校生に伝えたいこと

渡部さんの写真

「社会起業家」とは社会課題を解決するために会社やNPO、NGOを立ち上げた人のことです。
なんだか自分とは違う世界のハナシ…と思う人もいるかもしれませんが、話を聞いてみると、高校生や大学生の時に社会に目を向けるきっかけがあった人も多いようです。

今回は「難民支援」をテーマに活動する渡部さんに話を聞きました。

——早速ですが、渡部さんが代表をつとめる「WELgee」について教えてください。

象徴写真

渡部さん(以下:渡部):WELgee(ウェルジー)は、「難民の人々も歓迎できるような社会をつくりたい」という思いからスタートした団体です。紛争、弾圧、テロ等の要因から世界には6000万人以上の難民がいますが、実は日本にも2016年だけで約1万人の難民が逃れて来ているんです。難民キャンプもない日本で、家も仕事も、社会とのつながりもない人々が多くいます。
そんななかで、WELgeeでは当事者の声に耳を傾けて、難民と日本人家庭を結ぶ「難民ホームステイ」をはじめ、難民がスキルを活かし自立して働くサポート等をしています。

——とても社会意識の強い活動をされていますが、渡部さん自身はどんな高校生でしたか?

高校時代のイメージ

渡部:高校時代は数学が大の苦手で、いつも数学で泣いていましたね(笑)。在学中に様々な国出身の若者と1週間過ごすキャンプに参加したんですが、授業で習った英語は通じず「伝えたいのにもどかしい!」という経験をしました。でも、言葉が違う中でお互いを理解し合うために、最大限の努力と工夫をするのがすごく楽しかったのを覚えています。その後英語の勉強に力が入りましたね。

——「WELgee」を始めようと思ったきっかけは?

活動の様子

渡部:大学生になり、バングラデシュのNGOと国連のプロジェクトにて活動していたのですが、そこで、私が一緒に暮らしていたのは「顔も文化も言葉も異なる先住民族」。政府に弾圧され、新聞にも事件が載らないという「見えない紛争地」でした。既存の仕組みの中では、誰にも声が届かない人々との暮らしの中で悔しい思いをしたことが、「新しい仕組みを作ることで、たとえ厳しい境遇に陥ったとしても、自分の未来を実現できる社会を作りたい」と思うきっかけになりました。

——これからはどうしていきたいですか?

今後の展望について語る渡部さん

渡部:「難民について話すのではなく、難民と話そう」。難民の支援現場を視察しにドイツに行ったときに出会った青年たちの言葉です。難民問題に限らず、多くの社会課題を考えるとき、すべては、当事者の声を聞くことから始まります。
私はWELgeeでこれまで「社会の課題」としか捉えられなかったことを社会の「おもしろみ」「強み」に変えていきたいと思っています。彼らはよき友人であり、戦争を知らないわたしたち世代に大きなヒントをくれる「生きる教科書」なんです。

——最後に、高校生に向けてひと言メッセージをお願いします!

高校生に手を振る渡部さん

渡部:世の中には教科書から学べることと、教科書からは学べないことがあります。そして、これだけインターネットが発達しても、やはり人からしか学べないこともたくさんあります。

高校生の皆さんも、たまには学校から飛び出して、人に出逢いに行ってみてください。起業家でも、大学生でも、エンジニアでも、漁師でも、シェフでも、スポーツ選手でも、NGO職員でも、近所のおじさんでも、自分のおばあちゃんでも。ひとりの人の人生のストーリーから、様々な世の中が見えてきます。自分がどう生きたいかも見えてくるかもしれません。

失敗を恐れずに、進んでみてくださいね。

渡部さんのように失敗を恐れず挑戦し、いろんな物事に目を向けると、追いかけたい夢が見つかるかもしれません。

▼渡部さんやWELgeeについてもっと知りたい方はぜひこちらもチェックしてみてくださいね。
WELgee

【今回の社会起業家】
■渡部清花(わたなべさやか)
1991年、静岡県生まれ。難民支援団体WELgee代表。東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻、人間の安全保障プログラム修士課程。大学時代はバングラデシュの紛争地にてNGOの駐在員、国連開発計画(UNDP)のインターンとして平和構築プロジェクトに携わった。トビタテ!留学JAPAN1期生。2015年3月、WELgeeを設立し、代表を務める。

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