UPDATE 2018.07.23

「なりたい自分」を叶える進路選択
〜工学×失語症言語訓練アプリ〜

工学×失語症言語訓練アプリ

今、社会で活躍している人々は、どんな学生時代を送り、どんな進路選択をしていたのでしょうか。
今回は高校時代に失語症になった経験を活かし、現在失語症言語訓練アプリを開発している石畑恭平さんに、学生時代から現在に至るまでの話を聞いてみました。

  • ※失語症とは
    脳の病気や障害などで、脳の言語中枢が損傷することで、話す・聞く・読む・書くが難しくなる言語障害。人によって症状は異なり、継続的なリハビリが必要とされている。

高1で失語症を発症。学生時代はプログラミングに夢中に

—石畑さんは失語症になった経験があるとのことなのですが、それはいつ頃たっだのでしょうか?
石畑恭平さん(以下:石畑):僕が失語症を発症したのは、高1の頃。自分が頭で考えている言葉と、口から発される言葉が違うという、不思議な体験でした。幸い軽度だったので、半年ほどで学校に通えるまでに回復しました。

—そうだったんですね。「アプリ」など、情報科学系統の学問についても学生時代から興味を持っていたのでしょうか?
石畑:高校時代はゲームづくりに夢中になっていました。当時はやっていた3Dゲームを自作しようと、パソコンの前に座ってプログラミング漬けの毎日でした。その流れもあり大学は工学部一択だったんです。「工学を学びたい」と明確に決まっていたので、自宅から近い千葉大工学部を選びました。

ゲームアプリを独自開発。運命を変えた教授との出会い

—大学ではどんなことを学んでいましたか。

大学での学び

石畑:大学で工学の基礎を学びました。大学での学びを生かして、独学で麻雀ゲームの開発も手がけていました。

—大学時代からゲーム開発をされていたんですね。
石畑:実は卒業後は、その麻雀ゲームをもとに起業し、携帯向けアプリの開発をしていたんです。でもそんな時、母校のエンジニアの集まりで失語症のリハビリを研究している教授と出会いました。自分が失語症を患った経験があると話したことで意気投合。人の役に立つ仕事をしたいという想いもあり、教授と一緒に研究することを決めました。

すべての失語症患者の想いをつなぐアプリをつくる

—教授と意気投合してから、どのようなお仕事を始められたのでしょうか。

現在のお仕事

石畑:失語症患者の言語訓練をサポートするアプリの開発をしています。初めて試作品をつくった時は、「患者の気持ちがわかっていない」と周囲からは厳しい意見ばかりでした。そこで、たくさんの患者さんや専門家に話を聞くことにしました。聞いた話をもとに会話スピードを遅くしたり、飽きないようにゲーム性をプラスしたり。改良して、また話を聞きに行くという流れで。僕は昔から難しいことにチャレンジするのが好きなんです。難しければ難しいほど楽しい。だから、この仕事も楽しみながらやっています。苦労はしましたが、今このアプリで訓練されている患者さんを見ると、報われた気持ちになります。

—今後はお仕事や活動を通して、どんな未来を創っていきたいですか。
石畑:失語症の患者さんは50万人以上。しかも、その症状は多種多様です。今はまだ途中ですが、データ収集を重ねて、本当に役に立つアプリを完成させたいと思っています。

いかがでしたか。子どもの時や学生時代の経験が、ふとしたきっかけで未来を創る仕事になることがあります。皆さんも進路に迷ったら、過去の出来事に立ちかえって考えてみるのもよいかもしれません。

■石畑恭平(いしはたきょうへい) 千葉大工学部卒業。工学博士。株式会社ロボキュア最高技術責任者(CTO)・取締役。失語症患者向け言語訓練アプリを開発・運営。

<この記事を書いた人>
進研ゼミ高校講座編集室 ざっきー
8つ離れた弟の影響で保育・教育に興味を抱き、大学では保育学を専攻。現在は高校講座編集室メンバーに。今までの経験が現在に生きているなと思います。

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高校時代に失語症になった経験を活かし、現在失語症言語訓練アプリを開発している石畑恭平さんに、学生時代から現在に至るまでの話を聞いてみました。 つける> しない しない /kou_news/shinro/img/0226/img_main01.png 1