「社会起業家」とは社会課題を解決するために会社やNPO、NGOを立ち上げた人のことです。今回は「まちづくり」をテーマに活動する社会起業家の富樫泰良さんに話を聞きました。
—早速ですが、富樫さんが代表をつとめる「オール・ニッポン・レノベーション」について教えてください。
富樫さん(以下 富樫):千葉県夷隅郡御宿町で「いつまでもこのまちで元気に暮らしたい」と願う方々と一緒に「持続する」まちづくりに取り組んでいます。
御宿町は東京から電車で80分の距離にありながら人口約7000人の小さな町です。自然が豊かでかつては1日10万人以上の人が御宿のきれいな海を目指して訪れていましたが、今は県内高齢化率1位の48.5%と大きな社会問題を抱えています。この町を盛り上げていこうと地域の拠点をつくり、地域の皆様の常設型の交流サロンや、移住定住の促進、企業誘致、起業創業支援を行っています。
—高校時代はどんな高校生でしたか?
- ※高校時代にシアトルを訪れたときの写真
富樫:高校1年生まで日本にいて、高校2年生からアメリカのシアトルに単身、留学しました。日本にいるときには、東日本大震災の被災地でボランティア活動をしたり、ヒッチハイクや夜行バスを駆使して日本中旅していました。アルバイトはスーパーと朝市、仮設の中華屋でしていました。シアトルにいたときも、いろんなところに足を運びました。高校生の時から「まち」に興味があって、いろんなまちを見るのが好きでした。
—今の活動に至るまでのストーリー
富樫:御宿町や隣の勝浦市は小さなときから家族で訪れていた町でした。この地域が好きで、車の免許を取ってからは友達とちょくちょく遊びに来ていました。ふとしたきっかけで、御宿町で畑を借りたら、人々とのかかわりを通してますます御宿が好きになり、この町の役に立ちたいと思うようになりました。
12歳のときに立ち上げたボランティアグループを発展させる形で法人化し、一般社団法人オール・ニッポン・レノベーションを立ち上げ、いままで様々な活動を通じて経験させてきたことを活かしながら、少しでも御宿、外房地域に貢献できればと、大学に通いながら活動を続けています。
—これからの夢は?
富樫:御宿町は高齢化と若者世代の流出に直面し、空き家や空き地対策も必要です。御宿町でこども、若者世代を増やしていくために、空き家空き地を自由に使ってもらう、挑戦の場としてマッチングしていく体制を整えています。
また観光ではなく、「感幸」と打ち出し、交流人口ではなく観光以上移住未満の関係人口を増やしていこうと拠点滞在や、長期ステイ等しながら御宿町を応援してくれる、一緒に盛り上げてくれる仲間を集めていきたいです。一緒に働いている仲間とは、牧場と宿とレストランが一緒になった感幸施設をオープンすることが夢です。
—進路に悩む高校生へのメッセージ
富樫:人生なんとかなるからリラックスしてやりたいことを優先してほしいなと思います。都市部では考えられないですが、数十万あれば海がきれいな御宿町やスキーで有名な湯沢町でマンションを購入できちゃいます。賃貸もめちゃくちゃやすいですし、食費も全然かかりません。たくさんお金を稼いで、老後は田舎でという話をよくききますが、生活コストが全然かからないし、地域の皆さんに支えていただく機会も多いので、若いときこそ田舎に住むという選択肢も良いのではないかなと思います。
また、どんな仕事も偉い、偉くないもなくて、みんなそれぞれ大変で、社会が回るためにも必要な仕事です。家業を継ぐことも、起業することも、大きな会社に就職することも、畑に出たり、海で働くことも、どれも大事なことです。稼ぎや周りの目ではなくて自分がやりたいかどうかで選んでほしいです。
—まとめ
いかがでしたか。子どもの時から訪れていた場所や、好きな「まち」めぐりなどの経験が、結果的に富樫さんが事業をはじめるきっかけになっていることが分かります。皆さんも進路に迷ったら、自分の実体験に立ちかえって考えてみるのもよいかもしれません。
▼富樫さんや「オール・ニッポン・レノベーション」についてもっと知りたい方はぜひこちらもチェックしてみてください。
一般社団法人 オール・ニッポン・レノベーション
【今回の社会起業家】
■富樫泰良(とがしたいら)
一般社団法人オール・ニッポン・レノベーション代表理事。
慶應義塾総合政策学部在学。2009年に中高生主体の国際ボランティアネットワークCWPJを発足。史上初めて学生で「NHK日曜討論」に出演した他、TBS報道特集・ニュースバード、NHK「あさイチ」、青春リアル、板野パイセンなど出演。重点政策若者議会推進・若者担当大臣・これに変わる部局の設置等の提案者。日本若者協議会初代代表理事。
著書「ボクらのキボウ 政治のリアル」