UPDATE 2018.06.14

トッポを配ることで気づく
お金より大切なもの

高校でトッポを配った

ケーブルテレビの会社でデイリーポータルZというサイトの編集長をしている林です。

その仕事の関係で高校生がビジネスモデルを考えるというイベントに呼ばれた。社会人として助言する役割である。持続してお金儲けできているかどうかが審査のポイントだという。 だが、僕が携わっているデイリーポータルZというサイトはずーっと赤字なのだ。10年以上、一度も黒字になったことがない。(一応、会社のブランドを高めるという役割はある。)

そんな大人が何を助言したらいいというのか。わからないので自分のおやつ用に買ってきたトッポを配っていた。マジのビジネスマンの中にひとり「全然儲かってませーん」みたいなのがいたのが気になったのか、イベント後も高校生からたくさん質問された。「なんで儲かってないのにクビにならないんですか?」

………若者は正直である。

話をしてみると、会社員というのは利益を出していかないと生きていけないと信じているようだった。それは正しいけど、正しくない。

もうひとつの経済がある

  • ▲誰でもただで入れる札束ぶろというイベントをやったこともある。

10年以上儲からないことをやっているとだんだんわかってきたことがある。どうやら世の中にはお金じゃないことで回る経済があるらしい、ということである。その通貨は「信頼」である。 (なんと僕はこれから僕がいかに信頼されているかを書こうとしているのである。ずうずうしい!)

サイトでは誰かにお金をもらったから紹介するのではなく、自分が面白いと思ったものを紹介している。そういうことを続けていくと「こいつの言うことなら信じてもいいかな」と思われるようになる。ボランティアを買って出てくれる人もいるし、場所や必要な技術をただで提供してくれる人たちも現れる。本来ならばお金を払わないといけないものがタダになる。
その源泉は信頼である。

仕事だけの話じゃなくて、人間関係もそうなんじゃないかなと思うのだ。損得とか考えずに楽しく動いていると、人が集まって楽しく過ごすことができる、かもしれない。僕が高校生にトッポをあげ続けたのはそういうメッセージだったんだよ。というのは嘘で、その時はみんなよく食べるなーと思って眺めていただけだけど。

<この記事を書いた人>
林雄司
デイリーポータルZ編集長。

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ケーブルテレビの会社でデイリーポータルZというサイトの編集長をしている林です。その仕事の関係で高校生がビジネスモデルを考えるというイベントに呼ばれた。社会人として助言する役割である。持続してお金儲けできているかどうかが審査のポイントだという。 つける> しない しない /kou_news/ikinuki/img/0153/img_main01.png 1